Inspiration Type: Feeling

  • #寒くて憂鬱 #気力を補充したい #脱ウィンターブルー

    #寒くて憂鬱 #気力を補充したい #脱ウィンターブルー

    冬、それは寒さとの戦い

    冬の寒い日が続くと、体力はおろか、どこかへ行きたい気持ちさえ姿を消しがち。

    東京、12月にはすっかり冬で、桜が咲く頃まで向こう4か月は気温ひと桁台が続く日々。1年のうち4か月は寒い、つまり1年の3分の1は冬なんですね……。

    冬、圧倒的に快晴が多いし、富士山も毎日のように美しく望める。雪が降れば無条件にときめくし、こたつやおでんや星空と冬ならではの楽しみもある。

    それはわかっていても、こうも毎日寒いと嫌になっちゃうよ、というぼやきが連なりがちです。

        

    寒ければ低温にもなるよね

    それもそのはず、寒さは脅威。人間活動を停滞させる脅威なのです。

    人は寒さを危機と認識するようプログラムされていて、寒さはストレスに直結します。

    心に余裕がなくなり攻撃的になるのは、生存本能なのです。しかたない。

    そのうえ、冬は幸福感をもたらすセロトニンの分泌がそもそも減り、加えて日照時間が短いため、セロトニンを生成する環境自体が整いづらくなります。

    さらに、セロトニンを材料としてできる体内時計管理役のメラトニンの分泌も減るため、睡眠も乱れやすく、常に眠い状態になりがち。

    また、不足するセロトニンを健気にも補おうとして、セロトニン生成に必要な糖質を求め、炭水化物や甘いものを欲してしまったり。

    「常に眠い」「ご飯にパンに麺が止まらない」「デザートはいつにも増して別腹」は、冬を乗り切るための防衛本能が働いている証拠なのです。だらけているわけでも怠けているわけでも、ない。

    冬はこんなにも人間にとって過酷な条件が揃ったシーズンなのです。

    実際、「ウィンターブルー」なる言葉が存在していて、冬に気分が落ち込みやすいことは医学的に明らかだそう。

    冬の諸々と人間の性質とが相まり、冬がなんとも御しがたい時期であることは抗えない事実のようです。

        

    一体どうすれば

    メカニズムがわかり、“なんとなく不調”が自分のせいではないとわかると、肩の荷が下りた気持ちになります。

    そしてその後は、ではいかにしてすこしでも快適に冬とつきあうか、が気になります。

    たとえば、日常で明日からできる解決策リストがこちら💡

    ・午前中に太陽の光をめいっぱい浴びる

    ・起きる時間と寝る時間を一定にする

    ・たんぱく質を積極的にとる

    ・有酸素運動をする

     

    いわゆる健康的な生活です。冬こそ健康に過ごそうね、というシンプルな解。

    ではこのリストを明日からさっそく始めよう、となれれば最高。

    でもそんなに簡単にはいきません、だって冬だもの。

    一度に4つも新しいことを始めるなんて、ただでさえ気力が落ちている冬にはハードルが高い。腰が重すぎる。

    そんな時の特効薬が、旅です。

    どこかへ出かけると思うと、どんなに疲れていてもうきうきするのが旅好きの性。

    そのうきうきを燃料に、冬特有のどんよりを緩和するきっかけとしての旅、おすすめです。

        

    脱ウィンターブルーを果たす発動条件

    では、人間の本能にプログラムされているウィンターブルーを遠ざける旅とは。

    過去の冬の国内旅を振り返って、有効だったと思える旅の基本条件を考えてみました。

    ・晴天率の高い場所を選ぶ

    ・朝食付きにする

    (眠いうえに布団が友だちの冬はつい寝坊しがち、朝食を強制起床装置として発動する)

    ・夕食は肉も魚もとれる宿ごはんを

    ・温泉であたたまる(サウナでリフレッシュする)

    ・日中しっかり活動し、夜ふかししすぎず睡眠を確保する

    ・気分が上がる体験を用意する

      

    旅先選びの鍵は「日照時間」

    冬の旅こそ、夏へ逃避できる海外ビーチリゾートが圧倒的ドラフト1位!

    が本音なのですが、今回は「今この状況を改善する目星をつけたい」を解決すべく、「思い立ったら来週行ける」の観点から、日本でおすすめの場所を挙げていきます。

    今回の条件を満たす旅先、基本的に太平洋側推しです。

    日本海側と太平洋側で比べると、圧倒的に日照時間が長いのが太平洋側。

    たとえば新潟と東京で比較してみると、同じ12月でも東京の日照時間は新潟の約7倍……!

    ちなみに東京は47都道府県中25位。

    年間の日照時間の長い都道府県ランキング(県庁所在地基準)のトップ10はこちら。

    1. 山梨
    2. 高知
    3. 静岡
    4. 群馬
    5. 宮崎
    6. 愛知
    7. 徳島
    8. 岐阜
    9. 三重
    10. 和歌山

    冬に限定すると、北陸エリアの日照時間の少なさが特に際立ちます。

    新潟、石川、富山、福井あたりは、冬型の気圧配置の影響をうけて12月の10日間で5時間程度の日照時間しかなかった年も。

    山梨が1位は意外でした。長い日照時間がワインの生育に向いているとのこと。

    そしてもっと意外なのが、冬でも太陽が出ているイメージがある沖縄、九州が上位に入っていないこと。

    12月の10日間を抽出したあるデータでは、沖縄はなんと上記の北陸に次ぐワースト5位(!)。

    実は冬の沖縄旅行は曇天が多く、“1年中青い空と青い海”のイメージとはかけ離れているといえます。

    北陸、沖縄に次いで、東北(山形・秋田)や山陰(島根・鳥取)などの日本海側は、日照時間の少ないエリアです。

        

    さてどこへ行く?

    このランキングのなかから、冬でも晴天が多く太陽が降り注ぐ街をピックアップし、「次に行ったらこれする/ここ周る」をまとめました。

    ※下記の写真は各県・市・ホテルの公式サイトよりお借りしました。

        

    高知

    日照時間第2位の高知は年間を通じて温暖で、晴れの日が多い県。

    ひろめ市場(“酒飲みたちのパラダイス”との異名あり)、果物(冬は文旦・みかん・ぽんかんなどの柑橘類が充実)、そして四万十川!晴れた日の清流は息を呑む美しさで、せせらぎには浄化作用が。

    夏に訪れた宿毛の海は本当にきれいで、いまだに私の国内No.1海に君臨中。沖縄本島のビーチよりも透明度が高く、10m近い海底までクリアに見えた記憶が鮮明に残っています(ダイビングは4月下旬から11月上旬頃まで)。

        

    宮崎

    九州ながらプロ野球の春季キャンプ地に選ばれることからも、温暖さと晴天率は折り紙付き。

    ヤシ科の木々が並び、白砂のビーチが広がり、マンゴーが採れるなど、本州で1、2を争う南国情緒。崖の織りなす峡谷を下る高千穂峡は壮観。

        

    徳島

    定番の鳴門の渦潮が有名。

    いまや「地方創生の聖地」として一躍その名を全国に知らしめた神山町が気になっています。徳島市街から車で1時間ほどの牧歌的なエリアながら、ITベンチャーや若者が続々と移住・訪問していて注目を集めている町。

    また、ゼロ・ウェイスト宣言によりCMにまで登場した上勝町も、その仕組みに触れてみたい。上勝町にあるクラフトビール醸造所・RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Storeも、訪れてみたいリストに入っています。

        

    和歌山

    じゃらんの2021年旅行満足度ランキングで、1位に輝いた和歌山。前年の8位からのジャンプアップだそう。たしかに1位は意外です。

    「子供が楽しめるスポットや施設・体験が多かった」(3位)、「ご当地ならではの体験・アクティビティが楽しめた」(7位)」といった項目で上位とのこと。

    世界遺産である高野山と熊野古道、海も山も広がる豊富な自然、国内でわずか3か所しかないパンダを見られるアドベンチャーワールドと、実は多彩な観光要素が揃っていて、バランスがとれた県。すこし調べただけで、和歌山城や“日本のアマルフィ”・雑賀崎など、観光できそうなスポットが出てきました。

        

    広島

    さまざまな顔をもつ県のひとつ。宮島は風情があり、市内でもしだれ柳が並ぶ川沿いに路面電車とレトロな雰囲気が広がります。

    次に訪れるなら、尾道と生口島と決めています。尾道では、入り組んだ路地を練り歩いて、海を見下ろしながらカフェでぼーっとしたい。そして尾道からしまなみ海道をサイクリングして生口島へ。アマン創始者であるエイドリアン・ゼッカがプロデュースした初めての旅館・Azumi Setoda(築140年の元豪商の邸宅を引き継いだ日本旅館)に宿泊したいと目をつけています。

        

    香川

    香川の醍醐味は、瀬戸内海に浮かぶ島々。

    直島では是が非とも『ベネッセハウス』へ宿泊を!安藤忠雄による設計の、美術館とホテルが一体となった施設です。客室棟は「ミュージアム」「オーバル」「パーク」「ビーチ」の4タイプあり。各客室にアートが飾られていて、部屋にいながらアートに触れられる仕様。

    訪れた時はひと夏限定の施設に泊まったので、次回は「オーバル」に泊まりたいところ。

    地中美術館はその光に衝撃を受けた場所。いつまででも『睡蓮』に浸れる空間でした。そしてジェームズ・タレルの「オープンスカイ・ナイトプログラム」は、一生に一度は体験してほしい空間。

        

    冬だから、ワクワクをつくろう

    寒いとどうしてもからだが縮こまる、それは抗えない自然の摂理。

    外に出る機会そのものが減りがちだから、青空と太陽を求め、すこしでも暖かさを期待できる場所へ。

    そして疲れないゆったりとした現地計画を立てて、その計画の過程もスローに楽しむぐらいが、冬にはちょうどいい。

    ウィンターブルー解消の一手になりますように。

        

      

  • #さくっと気分転換 #リラックス #肩肘張らずに

    #さくっと気分転換 #リラックス #肩肘張らずに

    先日、カフェでこんな会話が聞こえてきました。

    「どこか行きたい!
    おでかけ程度じゃなくて、でもがっつり旅行って感じでもない、さくっと気分転換したいね〜。」

    「わかる、近場のカフェとか美術館とかじゃなくて、でも飛行機乗って行く遠出だと調べたり予約したりちょっと億劫なんだよね、、」

    「そうそう、移動もそんな長くなくて、お手頃で、思い立ったら週末に行けるような気軽さで行きたい〜!」

    「でも海とか緑があって、ごはんもおいしくて、あわただしくなくちゃんとゆっくりしたいよね。」

    「ためしに『箱根』で検索しても200軒以上ホテル出てくるよ、、どうやって絞るか考えるの大変〜〜。」

    勇気があったら、偶然居合わせた隣人として「それならこうやって選んだらどうかな〜!」とおすすめしたかった!のですが、叶わなかったので、ここに成仏させます🙏

    ※今回は公式サイトから写真をお借りしました(いずれも宿泊時の写真が手元になかったため) 

      

    察するに、「さくっと気楽にのんびりしたい」?

    「さくっとどこかへ行きたし、されどリサーチは面倒」「高級さより気楽さ」「観光より宿でのんびり」、そんなシーンだったのでは、と推測。

    わかる、、!

    時間をかけてしっかり計画してみっちり予定を組んで行く旅もいいけれど、忙しい時はリサーチにかけられる時間と体力が捻出できない……でも忙しい時ほど、日常から離れたい……。そんなジレンマ、ありますよね、しょっちゅうです。

    おでかけ以上旅行未満、このニーズは大きいのでは、と、アフタヌーンティーブームを見ていても思います。

       

    まとめると「近くていろいろお手頃」

    そんな時の解は、2時間前後で電車で行けて、思い立って行けて且つ無計画で行っても罪悪感がない程度にお手頃な宿で1泊。(「電車で行ける」のは意外と重要で、車を借りる手間が不要だし、運転者ひとりに負担がかかるのを避ける公平さがあるから)

       

    近い

    さっと行けるという点では都内近郊が一番手。ですが、普段の生活圏だとどうしてもリフレッシュ効果に欠けがちなんですよね、、

    リフレッシュが叶う距離としては、ぼーっとしつつおしゃべりしつつうたた寝しつつで「気づいたら降りるの次だ!」になる2時間前後が最小移動時間。

      

    お手頃

    計画や移動の手間に加えて、心理的なハードルも軽くしたい時には、お手頃さが欠かせません。

    1泊で2万円程度に収まるとうれしいところ。夜ごはんに朝ごはん、温泉があって、諭吉2枚でおつりがくると万々歳。ワンピース1着の代わりに、何もしなくて食べて寝るだけでHPもMPも回復する時間と思い出を手に入れられる程度が、お財布的にも心理的にもやさしい目安。

       

    もちろん譲れません、温泉とごはん

    温泉

    温泉の大きいお風呂、これこそ非日常の象徴みたいなところがあります。サウナがあるとなおよし。

    温泉はできれば源泉かけ流しで、成分がそのまま浸透する天然の化粧水にからだまるごと浸け込んでしまいたい。

     

    おいしいごはん

    わざわざ足をのばして宿で2食とるなら、食事に力を入れていると非日常感も増し増し。セントラルキッチンでもなく、地場の素材を味わえると旅ならではの食の喜びが倍増です。

     

    見落としがちだけど重要なのが、規模感

    日頃のあれやこれやを置いてぼーっと過ごすなら、小規模な宿へ。

    室数が多い、レストランが複数ある、宴会場や結婚式場を備えるホテルや旅館は、ファミリーや大人数グループ、団体ツアー利用者が多め。

    どうしてもざわざわしがちなので、ゆっくりのんびりのリラックスを求めるなら、室数や施設を意識するのがポイントです。

     

    おしゃれさ重視なら、海まで10秒のシーフロントホテル

    東京から2時間、最近若者たちに再びブームになっている土地・熱海にある『ホテルミクラス』。

    「シティホテルの利便性とリゾートホテルのくつろぎをあわせ持つ」という公式サイトの紹介の通り、海辺のスタイリッシュなリゾートホテル。62室と、小さすぎず大きすぎず、匿名性とおもてなしも中間ぐらいで気楽に過ごせます。

    客室はオーシャンビューを指定すれば、午後のおだやかさや夕方のあやうさや朝のまぶしさなど、七変化する海をぼーっと眺められます。最もリーズナブルな客室は数室だけある山側なので、予約時はご注意を……!

    20,000円前後だと、スタンダードとスーペリアが選択肢。ただ34平米とすこし手狭です。広さ重視ならコンフォート(67平米/25,000円弱)がおすすめです。(初めて行った時はスーペリア、2回目はコンフォートにしました。数千円プラスしてもゆったり感がぜんぜんちがう!)

    旅館ではなくホテルだなと感じられるのが、食事。ディナーはフレンチフルコース。★3は食材が豪華なようなので、よりこだわりたい方向き。

    屋上にある温泉は、インフィニティ感たっぷり。そんなに広くないですが、海を眺めながらのお風呂はやっぱり最高。

    女子同士とカップルが半々ぐらい、20-40代がメインだったので、肩肘張らずリラックスして利用できるホテルという印象でした。

      

    上げ膳据え膳なら、部屋食の海望む旅館

    静岡・伊東の高台にある『青山やまと』。全42室の和風旅館です。

    1996年開業ですが、年月を感じさせない佇まい。伊東を代表する名旅館という呼び声も。

    『青山やまと』、口コミが高く距離と価格が手頃なので選んだもののそんなに期待せずに訪れたのですが、予想を裏切る居心地でした。

    サービスレベルがとっても高い!

    客室数が多くないため大浴場が混雑することもなく、なんといっても部屋食なので、自分たちだけでゆったりと過ごせるのがよいです。

    部屋食、プライベート空間にスタッフが出入りするのと食事の匂いが部屋にこもるのとがにがてで今まで積極的には選んできませんでした。ですが、時世柄良いなと思ってひさしぶりに体験したら、「ごはんが運ばれてくる〜〜」と妙に感動してしまいました。温泉でとろけた後に湯冷まししていたらごはんができてて持ってきてもらえる、ってありがたいなあとしみじみ。

        

     

    タイムスリップ感なら、レトロさ溢れる旅館

    箱根は強羅に位置する『強羅環翠楼』。昭和天皇も訪れたという、昭和24年創業の古風な旅館です。

    ここの特徴は、静かさと温泉。

    強羅駅から徒歩数分ながら鉄道の音はほとんど聞こえず、わずか14室と小規模なため、館内にいるのは自分たちだけかと感じるほど(もちろん曜日やシーズンによりますが、、)。

    温泉は強羅の湯をかけ流し。露天風呂は48℃超の源泉が自然と43℃になった湯、これが最高なんです。保温力が高い泉質で、出たり入ったりしたあとはずっとからだがぽかぽか。寒くなってきた秋から春手前までは、特に最高です。温かさがこれほど持続する温泉はなかなかありません。

    春夏の緑も秋の紅葉も、窓一面に広がる自然が美しい。

    瀟洒なバーや最新のサウナなどはないけれど、古くからある年代物の旅館で過ごす時間にはなぜだか慈しみの気持ちが湧いてきます。新しさや豪華さや洗練だけが価値ではない、と思えるような。

    旅館の建物や部屋は年季を感じるので、タイムスリップ気分を楽しめる人向けと申し添えておきます。

     

    さくっと行ける旅は、近くておいしくて温泉があるところで決まり

    「近い」「おいしい」「温泉」が揃った宿はたっくさんあるから迷ってしまって、迷っているうちになんだか萎えちゃうな〜という私自身の経験をベースに、妄想回答しました。

    時間がある時は候補を探す“リサーチのためのリサーチ”も楽しいけれど、「計画もさくっと、旅行もさくっと」な時には億劫になることも。

    そんな時の参考になれば幸いです!

      

  • 電池切れ、100%に戻す権利がある

    電池切れ、100%に戻す権利がある

    気分:ここはトンネル……?

    忙しい日々が慢性化した頃、たまたま仕事がキリよくすんなり終わり「あ、今日時間ある、何しよう」と思った時。

    時間できそう、なにしようかな!あれ、、気になるお店どこだったっけ……最近なにスクショしたっけな……待って、浮かばない……そういえば最近なにかにテンション上がったっけ……。

    突如、仕事以外の楽しみがなくなっていると気づいたこと、ありませんか?

    目の前のことにただ必死だっただけなのに、顔をあげるとまるで暗闇。そして出口が見えない。

      

    症状:気分が晴れない、とつぜんの空虚

    食べに行きたいレストランや読みたい本、見たい景色、新作コスメ……ふだんならパッと浮かぶ生活の彩りが出てこない時。

    自分を楽しませる術がすぐに出てこないのは、知らず知らずのうちに気持ちがすり減っている状態です。

    プロジェクトの佳境や重要クライアントへのプレゼンなど目の前のことに精いっぱいな日々が続くと、最中では気を張ってこなしていても、メンタルはどんどん消耗。

    そして気を遣ったりアウトプットが続いたりすると、MPはみるみる減っていきます。

    ひと息つくタイミングが遠ければ遠いほど、トンネルが長ければ長いほど、ふと立ち止まった時に「あれ、今どこにいるんだっけ、、」と気づいた時は、時すでに非常ベルが鳴り出す一歩手前。

    人が病む原因は激務ではなく、どこへ向かっているかわからない状態だといわれていますが、まさにドキッとする瞬間です。

      

    解決策:空洞は満たさなくちゃ

    多忙の渦中には意識していなかったのにふと足を止めたらそこは踊り場だった時の戸惑いと焦りといったら。

    だれにもじゃまされずに自分の好きにしていいのに、レストランもスイーツも、リップもホテルも浮かばない……。

    そんな時の解決策は、たまねぎの皮を剥ぐように自分の本音に迫ることができる環境に身を置いてみること。

    そんな舞台にもってこいなのが、「黒」と「一流」が掛け合わされたホテルです。

    黒は光の相対。静寂に加え、厳粛や高尚を感じられる色です。刺激溢れる外界ではなく、今の自分に目を向けて、内省する時間を得るのに最適。

    ホテルは数多あれど、建築やインテリアなど世界観が細部まで徹底された一流の仕事に触れられるのがラグジュアリーホテルの醍醐味。相対的に、自分の志向がクリアになる作用もあります。

      

    集中して充電できる空間がある

    「黒」と「一流」を掛け合わせた空間として真っ先に挙げたいのが、『アマン東京』。

    東京のみならず日本でも屈指のラグジュアリーシティホテルです。

    アマンの建築を多く手がけた建築家の巨匠、ケリー・ヒルが手がけ、アマン創業者であるエイドリアン・ゼッカの熱意のもと、世界で初めてのアマンの本格的都市型ホテルとして2014年に開業しました。

    大手町駅直結の38階建てビル「大手町タワー」の33〜38階に位置。フロントのある33階は、30mもの吹き抜けになっています。白の壁が吸い込まれそうなほど高く続いています。

    一方で、プールや大浴場は黒が基調。客室は木や石をふんだんに用いられており、日本の伝統美が光るしつらえ。

    パブリックスパースとプライベート空間とのコントラストを鮮やかに感じるホテルです。

    トップクラスのラグジュアリーホテルとして世界ですでにその地位を確立しているアマン、ディテールへのこだわりが随所に感じられるものの、一見して豪華絢爛に終始しているわけではないところにその美学が匂い立っています。

    だからこそ、ただ単純にラグジュアリーホテルステイを楽しむというよりも、「この一流の場所で過ごして自分はこの先どこへ向かっていきたいのか」と自身の美学を自問する場になりうると感じました。

      

    整然と、美学が鎮座する客室

    開放的なロビーから客室の並ぶフロアへ移動すると、一転してシンプルな空間に変化していることに気づきます。

    『アマン東京』の特筆すべき特徴は、客室の広さ。

    スタンダードな客室(デラックスルーム)でも、71平米もの広さを誇ります。標準客室でこの広さを備えるホテルは都内では見当たりません。類似の外資ラグジュアリー系ホテルでも、スタンダード客室の広さは40〜50平米が主流です。

    この広さや配置を見ると、アマンがいかに滞在中のゲストの心地よさを考え尽くして設計したか、アマンが掲げるコンセプトを感じられます。

    ベッドは中央に配されているものの、空間を占拠するにはあまりに部屋が広く、縁側をイメージしたスペースがダウンリビングのような趣きで窓際に誂えられています。

    THE東京を望む景色が眼前に広がり、こんなにゆったりとした空間をひとり占めしながら東京の中心でくつろげることに、高鳴りを抑えることはできません。こんな機会、富豪でないかぎり滅多にないことでは、、!

    客室は、木と石が主体。全体的なトーンはシックにまとめられているなかに、温もりと生気が感じられます。

    シンク周りとバスルームは、黒で統一。重厚感があり落ち着いた物腰になっているのは、石にツヤがなく温度さえ感じるようなテクスチャーだから。

    バスタブは、外が望めるビューバスタイプ。広すぎず狭すぎない、深すぎず浅すぎない、明るすぎず暗すぎない、白すぎず黒すぎない、あらゆる側面で絶妙です。まさに考え事に耽るために設計されたと思わされる仕様。思考を深める空間としてこれ以上ないのでは、と感嘆の域です。

     

    まず向かうは、解放へいざなうプール

    アマンがシティラグジュアリー第1号としてつくったこの東京のホテルでは、随所にアマンのポリシーと哲学、ローカルとの融合や地域へのリスペクトを感じます。

    なかでも感動を覚えるのが、プール。

    東京千代田区大手町に、これほど天井が高く、景色も明るさも望める二面採光で、太陽の光も夜のとばりもまるで何も隔てるものがないかのように感じられるプールをつくったことにただただ拍手をおくりたい、そんな場所です。

    天井高は8m以上、プールの長さは30mと、プールの規模も都内最大級。

    プールのないラグジュアリーホテルは東京でも少なくありませんが、意志を持ってこの建てつけで構えたアマンには、ホスピタリティの覚悟を感じます。

    プールの中ではスマホと無縁。暇に耐えられない現代人は信号待ちの数秒でさえスマホに手を伸ばしてしまいますが、プールは物理的にスマホとの距離をとれる場所。

    水のなかで重力から解放され、軽くなったからだでもくもくと泳ぐと、雑念からも解放されます。

    開放的な空間で一旦肩の力を抜き、まずは身軽な感覚を取り戻すこと、この作業にうってつけなのがプールです。

    日常の延長で素敵な空間に来ると、思考も認識も日常の癖を持ち込みがち。

    都内有数の広さのホテルプールで、まずは日常を水に溶かす時間を持つ、それが、からからに渇いてしまった状態に何を取り込みたいかを考えるためのホテルステイのはじまりとしては必要なアクションです。

     

    のびのび泳ぎ、しみじみ考える

    雑念を振り払ったら、大浴場へ。

    浴槽も床も、プールに続きこちらも全体が黒で統一されています。静寂と相まって、一瞬闇を感じるほどの黒さです。

    造りはシンプルで、浴槽とシャワーブースとスチームサウナのみ。スチームサウナは、スウェーデンとフィンランドの老舗サウナメーカー・TYLOHELO製です。

    スチームサウナは、1m先も見えないような霧に包まれた気分になる不思議な空間。物理的に視界も情報へのアクセスも遮断された環境では、自ずと見つめる先は自分自身に。

    まとまった時間をとって考えたいことを考えるのに最適な環境といえます。

    黒と暗がりはふしぎなほど気持ちの安定をもたらし、思いを巡らすのに邪念の湧く余地もなく、集中して思考の断捨離が叶います。

      

    インルームディナーこそ特権

    『アマン東京』には食事ができる場所が2か所ありますが、食事はぜひ客室で。

    なぜなら、都心でこの広さを貸し切って過ごせる機会はないからです。

    ほかのホテルでは、スイートルームクラスでない限りはゆったり食事できるスペースを客室内に有していることはほぼないため、客室が広い『アマン東京』こそ、客室で長い時間を過ごす価値があります。

    レストランの窓側席のように窓のすぐ近くという特等席で、自分たちだけの1卓のみ、喧騒もなく、好きな音楽だけに包まれて静かに、急き立てることなく自分たちのペースで食事できる、というのはそうそうないこと。

     

    からだをほぐし、からだにやさしい状態をつくる

    お腹を満たしたら、眠りにつく前に再び、お湯へ。大浴場へ行くも、ビューバスでしみじみひとりで温まるもよし。選択肢があることがうれしい。

    入浴やサウナは、からだを温めます。筋肉の緊張をほぐすにとどまらず、安眠や前向きな気持ちをもたらす効果も。

    なにより「あ〜〜〜きもちいい〜〜〜」とのびのび全身を伸ばせることが、からだをいたわり、思考を深める準備運動に。

    「何もやる気が起きない……」と思ったら、実はからだががちがちに凝っていたから、というのはよくあることです。

    何をするにもまずはからだをほぐすことから。

    お風呂上がりには、“縁側”でひと涼み。窓の外に広がるのは大手町のため、ビルの灯りは消え、いわゆる夜景の迫力には欠けますが、眠る東京を目にするこちらも貴重な時間となります。

        

    朝食は日光とともに

    客室は天井高たっぷり。窓辺からはこぼればかりの朝日が縁側風のテーブルへと降り注ぎます。

    すっぴんパジャマと究極の脱力スタイルで味わうも、朝湯からのメイクアップからのワンピースで朝食と共に写真におさまるも、どちらも自由。“こうあるべき”から羽ばたいて謳歌できるひとときは、そうでない事態に耐えるつっかえ棒になります。

     

    収束と開放により、本質を問う時間がここに

    客室は余計な物や現実感のある物が排され、華美な装飾やアートもなく、鎮静すら感じられるほど。「部屋と頭の整理加減は比例する」といわれる通り、ミニマルな客室にいると頭のなかもシンプルに。

    次から次へと思考の渦に溺れるというよりは、「今自分が考えるべきこと」にフォーカスしてピンポイントで深めるタイプの思考時間に最適でした。

    一方で、贅沢なまでに物理的な距離がとられた空間ながらも黒の色効果により深遠な静かさが広がるプールや大浴場では、静的な開放が感じられます。

    思考するための緩まりを連れてきてくれる開放感。

    この収束と開放のバランスとが、ホテル全体を通して行き来できる体験は、ラグジュアリーホテル広しといえど稀有。

    確かなラグジュアリーはまるで、「自分のこだわりや信念、美学とは」を反射する鏡。

    電池切れには充電が必要。愚痴のひとつも出ようがない空間にいると、充電開始地点の標高は自然と上がります。整っているだけでなく、一流の仕事に溢れているからこそ、充電と深掘が叶う時間に。

  • 荒れた部屋にさよならを告げたい

    荒れた部屋にさよならを告げたい

    気分:荒地から抜け出したい、のに

    ちょっとお茶を飲んだコップ、ケーキを食べたお皿とフォーク、晴れたらまとめて洗おうと思っている洗濯物、2-3日さぼっただけで目立つほこり、シンクのよごれ……

    生活していると必ず積もっていくタスクの数々。

    目につく度に「片付けないと」「掃除しないと」「洗濯しないと」と思うけれど、いかんせんからだが動かない。見て見ぬふりをすると倍々ゲームになっていくだけだと、わかってはいるのに。わかってはいても。

    無駄な物は買わないと引越しの時にあれほどかたく誓ったはずなのに、季節が変われば迎え入れる新たなワンピースに、店頭から消える大評判のリップ、IKEAに行ったら目に入る“あると便利だろう”グッズと、なぜこうも物は増えるのか。収納スペースが増えることはないというのに。

     

    症状:物がない部屋への憧れとあきらめと

    増えていく物たちにときめきをもらえど、部屋が荒れていくと話はまた別。元の位置に戻せばぜったいに部屋はちらからないはずなのに、そんなシンプルなことがなぜできないかと情けなくもなりながら、忙しさとちらかり具合は比例するもの。

    なにより、整理整頓してはいつの間にか雑然として発狂寸前、という一連の流れを何十年も続けていることに、本当は心底疲れている。のに。

    それなのに、なぜ部屋は荒れるのか。

    やるべきなのにできていない、って、脳のCPUをずーっと占めていて、脳の疲労はすごいことに。旧Macbookでいうならばファンがずっと稼動している状態。負担が心配。

    でも、できないものはできない。できないんだもん。片付けたくても、腰が重い、重すぎる。

    仕事も忙しいし、テレワークだと職場と生活が一緒になって切り替えしたくてもしづらいし、夕方からテラスで飲んだり深夜まで深酒したりできないから発散する場もないし。

    生活空間を整えることが暮らしの基本とわかっていても、毎日一定の状態に保つことができていたら悩むこともないわけで。

    なにかスイッチが欲しい、そしたら切り替えて持続できるよう努めるのに、、と思いますよね?思います。切に。

     

    解決策:ミニマルな暮らしを疑似体験

    部屋を整える最大の特効薬は「人が家に来る」一択。ながら、このご時世ではなかなかそれも叶わぬ日々。

    家に人が来ないなら、こちらから理想の家に行ってみよう、と発想を転換した解決策を発見しました。

    結論、目的に適った強制脱出は最高だった!

      

    スイッチは軽やかにスパイシーに

    背中を押してくれるスイッチにはいろんな種類があります。負けん気に火をつけるものや、感動にパワーをもらうもの、憧れの片鱗に触れて追随したいと原動力になるもの、知恵を得て自分に反映するヒントになるものなど、タイプも向き不向きも合うタイミングもさまざま。

    今回は、実利と気分転換とでお尻に火をつけるタイプ。

    ワンピース1着分の価格を、空間の整え方の参考にも日常のスパイスにもなる体験に投資して、帰ったら部屋を片付ける動線をつくる、というホテル活用方法です。

     

    向かうは日本初上陸ブランドホテル

    建築界の重鎮が手がけているのに軽やか、都心なのにナチュラル、ミニマルなのにゴージャス、そんなバランスにインテリアのヒントがたっぷりのホテルは、『東京エディション虎ノ門』。

    エディションは、マリオット・インターナショナルが「ラグジュアリーとライフスタイルの絶妙なバランス」を掲げて展開するブランドです。

    マリオット・インターナショナルは、ラグジュアリー/プレミアム/セレクト/長期滞在/コレクションと30の主要ブランド・7,600以上のホテルを展開する世界最大手のホテルチェーン。

    ラグジュアリーのなかでも、「クラシックラグジュアリー」と「ディスティンクティブラグジュアリー」の2つのカテゴリーがあります。各カテゴリーに属するブランドは以下の通り。

    ・クラシックラグジュアリー:ザ・リッツ・カールトン、セントレジス、JWマリオット
    ・ディスティンクティブラグジュアリー:リッツカールトン リザーブ、ラグジュアリーコレクション、Wホテル、エディション・ホテル

    エディションはラグジュアリーカテゴリーのなかで最も新しく、2013年にロンドンで開業。2021年9月時点では、ニューヨーク、バルセロナ、上海、アブダビなど、11軒が展開されています。2022年末までにさらに8軒オープン予定とのこと。東京にも虎ノ門に続き、2軒目となる銀座が2022年前半に開業予定です。マリオットが注力するブランドであるとうかがえます。

    エディションは、イアン・シュレーガーというブティックホテルというコンセプトを生み出し一時代を築いた生きる伝説によるプロデュース。今主流になっている、ロビーを社交場に変えるというロビーソーシャライジングは、イアン・シュレーガー発なんです。

    デザイナーを選ぶ際は、地域の特性に合わせるとのこと。日本進出にあたって白羽の矢が立ったのが、隈研吾。エディションには隈研吾テイストがたっぷりと詰まっています。

     

    東西の融合よ、かくあれ

    エディションのコンセプトは、革新的でありながら質の高いサービスとオペレーションを有すること。「革新」「ユニーク」「ラグジュアリー・ライフスタイル」がキーワードになっています。

    『東京エディション虎ノ門』のテーマは「East meets West」。日本の美意識と西洋の美意識とを結びつけるという意図があるとのこと。

    実際に訪れると、随所にそのコンセプトが感じられました。計算されているのにどこかフランク、今っぽいけどカルチャーもある、その塩梅が心地よかった!

    東西の融合というテーマが最も表れていたのが、客室でした。

     

    物のない暮らしのなんとさわやかなことか

    客室は、隈研吾らしく木でまとめられています。スタンダードな客室で広さは40平米ほど。都内のラグジュアリーホテルのなかでは平均的な広さです。

    客室に入った瞬間は広い感じはしないなと思いましたが、客室に入り自動でカーテンが開いて窓が全部見えてからは光の効果もあってかゆとりを感じるように。

    扉に取っ手のない棚、一面白い壁、飾りもないシンクやバスルームなど、全体がシンプルにまとめられています。

    コーヒーマシンなどはオープン棚に格納されていて主張せず、電話やスピーカーなど見えるところに配置されているものはデザイン性が高いことも、クリーンさを印象付けます。

    かといって冷たさや無機質さを感じさせないのは、木の為せる技。

    物がないことは、生活感がないこと。

    色や柄がなく全体のトーンが一定だと、統一感と静寂が生まれること。

    クリーンであたたかい、ミニマルな空間は、思索に耽る手助けにも。ぜったいに家に存在する食品や調味料、サランラップなど、パッケージの鮮やかな色づかいは調和を見出し、時として色の暴力と言わんばかりに強烈に景観を乱すもの。それらが皆無で、白と黒と木とで統一された空間は、広くさわやかで、気が散る原因もなければ遮るきっかけもないというお膳立て。

    バスルームも白で統一。アメニティの「LE LABO」の香りに髪もからだも包まれると、「ああ……スッキリした空間でいい匂いに溺れるのがこんなに良いとは……」とますますていねいな暮らしに近づきたい気持ちがむくむくと。

     

    さらなる清涼感を求めるなら

    部屋のクリーンさにまずは荒れ地からの第1弾逃避が叶い、ひと息ついたあとは、プールへ。

    プールは、やっぱり非日常のひとコマ。

    ロビー階の奥、案内されなければわからない、壁と一体化した扉の先に小さな更衣室があり、その先にプールが続いています。

    プールは長さ14mとこぢんまり。外は見えないため開放感はありませんが、間接照明の光がやわらかく室内を照らし、宇宙船の中のような印象を受けます。白い壁に青いプール以外に装飾がなく、こちらもミニマルな空間。

    プールの奥には丸いジャクジーがあり。5-6人は入れそうなサイズで、足を伸ばしても悠々と浮かべます。

     

    テンション上げてこ

    『エディション』のパブリックスペースは、イケイケドンドン風味。

    客室やプールで静謐さを感じるかわりに、ロビーやロビーの奥に続くバーとレストラン、廊下ではクラブミュージックのような音楽が結構な大音量で流れていてエネルギッシュ。

    いわゆるロビーはなく、レセプションデスクのそばに植物で囲まれたスペースがあります。砂漠のなかにあるオアシスのような雰囲気。

    その奥にはソーシャライジングをテーマとしたバー、そしてレストランへ。

    バー・レストランともに1箇所しかなく、この空間に集約されています。吹き抜けで天井が高く、驚くのはその緑の量!植物園を思わせるほどこんもりと、鬱蒼と茂っています。都心のビルの高層階にいることを忘れるほど。

    窓の外には東京タワーが目の前に。

    空が広い!

    都心の空は、地上から見上げると時にコンクリートを見ているのか空を見ているのかわからなくなる。太陽が地平線に潜る瞬間はあたりまえに見られないし、夜空の星は数えるほど。それに慣れると、空を見上げることが気づけば減っていたりする。手元にはいつもスマホがあって、下ばかり見る習慣がついていて、空はますます遠くなった。

    だけど!空を見るってやっぱり気持ちいいな〜〜と思わせてくれるのが、ここ『東京エディション虎ノ門』。周囲にも高層ビルはあって、空だけというわけにはいかないけれど、それでも近い上空は遮るものなく見上げられて、おまけに東京タワーと海も見えるというロケーションは、日常にはなかなかない景色です。

    夕暮れから夜になりゆく時間を長く眺めていたくて、ナイトアフタヌーンティーを楽しみました。

    燦々と満ちる光のなかで朝食を

    朝食は、レセプションと同じ31階「The Blue Room」にて。

    太陽の光がたっぷりと降り注ぐ吹き抜けの空間に映える、青いソファ。上空なのに深海を思わせる色味です。

    太陽の光を室内でこんなにもダイレクトに浴びられると、清々しく、神々しい。

    メニューは和食と洋食から選択可。ドイツ人シェフが手掛けるとのことで、洋食がよりホテルおすすめであり人気とのこと。アボカドトーストかエッグベネディクトで迷うのは避けられません。

     

     

    実利と気分転換を叶える脱出を、理想の暮らしへの0.5歩に

    雑然とした自宅、漫然とした思考から離れて、静謐な空間という概念に触れると、荒れ地生活をリセットするきっかけになります。エネルギッシュな音楽と空間は、「帰ったらその勢いで片付けてみようか」なんてすこし後押しする作用があるような。

    さまざまな散らかりをスッキリさせるためのスイッチ、という使い方が機能するホテル、それが『東京エディション虎ノ門』でした。

    プライベートな空間はシンプルで、パブリックな場所は静けさやエネルギッシュが使い分けられていて、刺激も落ち着きも整理もやる気も満たしてくれます。

  • 財布ひとつでさくっと気分転換したい

    財布ひとつでさくっと気分転換したい

    気分:閉塞感と鬱屈

    海外はおろか、国内でも大手を振るって「さあ旅行!」とはいきづらい今日この頃。

    日々の安寧(にせざるをえない)暮らしをハーゲンダッツや入浴剤で彩りながら過ごしていても、ますます旅の効果効能を恋しく思ってしまう現象、旅好きあるあるではないでしょうか?

    「 遠くに行けない、それはもうしかたがない。でもどこか行きたい。旅がない人生は苦痛だ。となると、今だからこそ、東京暮らしゆえ、のあえての東京満喫の時なのかも?たしかにメトロポリタン東京を知っているかというとうんとも言い切れないかも……?」

    そんな風に思った時の提案です。

    症状:旅への渇望

    旅のことばかり考えてしまうーそれはまさしく禁断症状。

    旅の効果は書ききれないほどあれど、それらを誘発する発動条件のひとつに物理的な移動があります。

    移動が制限されることは行動範囲が制限されることに近しく、旅への気持ちがふくらむほどに現状とのギャップにますます鬱屈としてしまうもの。

    場所や環境を変えると心身が元気になる転地効果が認められているように、場所や環境を変えられないと日常がくすんでいく、そんな感覚に襲われます。

     

    解決策:点滴としてのTHE東京

    県境をまたぐ、あるいは新幹線や飛行機に乗る、そんな“遠出”がいろいろな意味ではばかられる、そんな時だから、住んでいる街で旅人になってみる。それが最後の砦です。

    東京にもたくさんのホテルがラグジュアリーからドミトリーまであります。

    今回のテーマは「鬱屈、旅への衝動」の解消と禁断症状への応急措置。

    いわゆる大都会東京らしい高層ビルや便利さではなく、「たしかに東京だけど東京っぽくない」の意外性を旅気分のドライバーとして活用します。

    そこで向かうは、『ヒルトン東京お台場』。

     

    近未来×オーシャンビュー

    都心からモノレールで向かう、それ自体にまずほんのりワクワク。

    地上でも地下でもない、空中を渡る乗り物、映画『ドラえもん のび太の結婚前夜』で未来の街に描かれている乗り物を彷彿とさせます。

    ゆりかもめは中からの眺めの移り変わりが、日常からの離脱感と比例するのがたまりません。りんかい線よりも旅に出る趣きが感じられます。

    ゆりかもめ『台場』駅を出ると目の前にそびえ立つホテル、それが『ヒルトン東京お台場』。

    団体旅行が盛んだった頃の熱海のリゾートホテルのような外観です。

    ちなみに現在の『ヒルトン東京お台場』、2015年までは『ホテル日航台場』として運営されていました。

    『ヒルトン東京お台場』は、レストラン、バンケット、プール、スパ、453もの客室を備える大型ホテル。半円形の形状が海岸沿いに佇み、全客室と主要レストランからは海を望むことができます。

     

    なぜお台場?

    お台場、そこは目的がないとなかなか訪れる機会のないエリア。乗り換え駅にならず、途中下車もないため、「とりあえず渋谷」のように「とりあえずお台場」とはならない場所。だからこその、非日常感です。

    マンションが建ち並ぶものの、郊外のような広大なイオンやファミレスが通り沿いに鎮座する光景は見られません。コンビニさえ、巨大施設のなかにおさまっているため、街の景観は無機質。

    一方で、波打ち際もある砂浜と海岸が広がります。無機質なのに海、海なのに自然感なし、というこのギャップがお台場ならでは。日本全国広しといえど、この組み合わせはほかになさそうです。

    そしてその海岸の先には、レインボーブリッジと東京タワーというTHE東京らしい景色。ブルックリン側から見たマンハッタンの景色をなぞらえられるひとこまです。

    ほどよい距離、街中の雑踏とは無縁の静寂、生活感のなさ、突然の海岸、東京を象徴するタワーと橋、そんな”ここだけの風景”が揃う街がお台場なのです。

     

    過ごし方

    『ヒルトン東京お台場』での過ごし方は一択。

    チェックインからチェックアウトまでホテルにこもることです。

    中途半端に街へ出ることなく、21時間をホテルのさまざまな場所で過ごすことが最大効果をもたらします。ワーケーションもおすすめ。

    客室選択のポイントはこれまたひとつ、レインボーブリッジ側を選ぶこと。

    全客室がオーシャンビューですが、眺望はレインボーブリッジ方面と品川埠頭方面との2種類。東京らしいパノラマを楽しむには、レインボーブリッジ側が必須です。

    レインボーブリッジ越しに東京タワーも望めるため、東京タワーが0:00に消灯する様子も客室でカウントダウンできます。

     

    チェックイン後は客室のテラスで日常離脱

    客室へ入ったら、まずはテラスに出てビールを1杯。日が高く明るいうちからビールのおいしさはそれだけで格別なのに、外、そして海を眺めながらとくれば、贅沢感もひとしお。

    太陽を浴びながら、潮風を感じながら、東京なのに東京っぽくないロケーションで過ごすことで、日常感を失わせる時間です。

     

    日の入り時間を調べてスパへ

    予約の際、スパ利用が含まれているプランかどうかの確認は必須です。含まれていない場合でも、宿泊者料金を支払って利用可能です。

    【施設入場料金】※2021年4月時点
    ■宿泊者:3,729円 / 子ども(0歳~15歳)1,865円
    ■ビジター:6,215円 / 子ども(0歳~15歳)3,108円

    『庵スパ TOKYO』というテナントが、スパトリートメント・プール・屋外ジェットバス・フィットネスを運営しています。

    このスパエリアが良い仕事してるんです……!

     

    天井高くガラス張りで光と明るさを感じられる空間

    3面がガラスで、晴れている昼間は太陽がさんさん。日光浴がたっぷりできます。中から見える海と屋内プール、両方の青がシンクロしてさわやか。

     

    プールから直接出入りできる屋内ジャクジー

    この配置、結構レアかと……!

    屋内プールのすぐ近くにジェットバス、なかなかないんですよね。プールは温水とはいえ、ずっと入っているとひんやりしてくるので、そんな時にさっと移れる心遣いがうれしい。

     

    2種類のサウナ

    ドライサウナとアロマミストサウナが備わっています。ドライサウナは80度前後とそんなに温度が高くなく、かーっと暑くなるサウナを求めると物足りない感。そんな時に頼れるのがアロマミストサウナです。長くのんびりして潤う感覚に浸れます。

     

    THE東京が目の前に広がる屋外ジェットバス

    そして極めつけが屋外ジェットバス。そんなに広くないのですが、なんといってもここで味わうべくは東京の景色。東京タワー、レインボーブリッジ、海がどどんと見渡せます。この3つを同時に間近で見ながらジェットバスにぶくぶくされるロケーション、ほかにない気が。

    屋外というだけで屋内では決して味わえないアドバンテージがあるんですよね。風に当たりながらの温水は入って入ればいるほどに浄化されるのではと思うほど。

    理想の過ごし方は、3時間コース。

    日の入り時刻の2時間前から日の入り後1時間、スパに入り浸ること。

    まずはひと通り泳いで温まってサウナでぼーっとして1時間。

    日の入り時刻の1時間前から日の入り後30分は、屋外ジェットバスに入ったり外気浴したりと空の移り変わりを眺める時間。

    そのあとプールでひと泳ぎして再度サウナで温まって完了、という流れです。

    アクアゾーンと空と風とを楽しみ尽くすとなると、3時間は必要でした。

     

    夕食はホテルでも近場でも

    ホテル内にもいくつかレストランはありますが、ホテル真横にあり徒歩3分ほどで行けるアクアシティ内にもチェーン系レストランが入っているので、好みで選べます。都心ほどホテル周辺の選択肢は多くないものの、ホテルで2食とるのも重いなーという時は外へ。自然に囲まれた旅館では叶わないライトな過ごし方ができるのも東京の恩恵のひとつです。

     

    朝食はまぶしいほどのランドスケープを眺めながら

    ロビー階である2階のレストラン『シースケープ テラス・ダイニング』は、レインボーブリッジが目の前に見える特等席。

    朝食は曜日を問わず6:30~10:30、8:00頃には窓側の席は埋まっていました。時期や人数にもよりますが、窓側希望の場合は早めもしくは1-2回転後がいいかもしれません。

     

    禁断症状の救急措置は、近くて遠い東京で

    せいぜい1時間だし、遠出とは言えないし、どこまでいってもメトロポリタンからは逃れられないけれど、それでも応急措置にはなりました。

    見慣れた景色から離れつつ東京の便利さはそのままというリフレッシュにぴったりです。

     

  • なぜこんなに働いているのか……(憤り)

    なぜこんなに働いているのか……(憤り)

    症状:忙しさと不条理で働く意義を見失いかけ

    目の前の人やクライアントやユーザーの役に立つ、感謝を向けられる、など、意義があると感じられる瞬間があると「やってきた甲斐があるなあ」とより一層注力するきっかけになる一方、根回しやらルーティンワークやらに忙殺されるなど時間と手間はかかるのに成果につながっているのか疑問を抱いたら最後止まらなくなる時、ありませんか?

    気分:憤りと興奮と、先の見えなさですこしの不安

    そんな時に浮かぶ思い、それはたとえば……

    なんでこんなに忙しいんだっけ……(疑問)→今やってる事ってなんの意味があるんだっけ……(不安)→これをやるために働いているんだっけ……(絶望)→なにが楽しくてこんなに働いているのだ…!?!?(怒り)

    自分で決めた道を自分で正解にしていくように、軸をもってぶれずに諸々取り組んではいても、避けられない不条理や納得いかない状況もありますよね。

    憤りをなんとかやりすごしながら、それでも納得いかない時は悶々と考え続け、そしていつまでこの状態が続くのかと不安になったり……そんな気分の時、それでもなんとかこの状態をポジティブにとらえていきたいと思っている、そんな時の解決策の一手のお話です。

    解決策:大枚はたいて至福の時を

    「なんでこんなに働いているんだっけ……」とおもわず天を仰いだら、素敵な場所へ足をはこびましょう。

    「なんのために働く」それはさまざまな意義や理由がありますが、その特権として誰にも気兼ねせず自分のお金で自分を丁重にもてなすことができます。

    不条理や解せない事は一旦置いておいて、「がんばっててよかった〜〜〜」とにんまりしながら1秒1秒をかみしめ自分をあたためられる場所がありました。がんばって働いていてよかった〜〜〜と思える体験が待っています。

    至福とは……?

    「働いている甲斐があったなあ」と思えるほどの感動に包まれること、それがこの場合の“至福”の定義。断続的に訪れる感動が「あーしあわせっ」という感慨をもたらしてくれます。

    そんな“しあわせ”をもたらしてくれるもの、それはたとえば……

    ・自然と調和のとれた環境
    ・温度や湿度、音楽が快適な空間
    ・慇懃すぎずカジュアルすぎない距離感
    ・隅々まで行き届いた清潔さ
    ・飲みものや本など旅先ならではの出会い
    ・家ではできない心地よい体験

    寒さ暑さを感じずちょうどよい温度が保たれたなか、木々のそよぎやせせらぎを耳にしながら、地場の食材やお酒を味わい、温泉とサウナで浄化し、パブリックスペースとプライベートスペースを自由に往来する……

    ただ家から旅館へ移動するだけで、あとはすべてが用意されているーーこれこそが贅沢。

    これらに加え、細部に至るまで不便を感じず、迷ったり戸惑ったりすることもない、そんな環境が“贅沢”から“至福”へと昇華する鍵です。

    清流に佇む登録文化財

    その旅館とは、東京から2時間半ほど、伊豆は中伊豆の修善寺にある旅館『おちあいろう』。1874年、明治7年の創業以来、明治時代には島崎藤村、大正時代には川端康成、昭和初期には北原白秋など名だたる文豪が逗留。当時の最高技術を投じて建造され、建物全体がまるごと登録文化財という名旅館です。4,000坪の敷地に、客室数はわずか16室。

    2019年秋にリニューアルし、最新の技術とデザインが投入されたとのこと。リニューアルの目玉はなんといってもサウナです。サウナについては後述!

    2名1室利用時の1泊1室が8〜10万円ほど。高級旅館の部類に入ります。

    至福ポイント1:自然と調和のとれた環境

    修善寺駅から旅館までは車で約20分、山の中腹へとのぼっていきます。『おちあいろう』という名前は2つの川がおちあう地に位置することから山岡鉄舟が名付けたそう。その名の通り、清流のそばに佇んでいます。

    繁華街や温泉街のなかではなく川と木々がぐるりと囲む場所ゆえ、空気が軽く静かさも備えていて、なにより自然を身近に感じられる環境。周りにかぎらず、敷地内も緑豊か。美しく剪定された中庭、川沿いの散歩道、そして川にかかる吊り橋!

    至福ポイント2:温度や湿度、音楽が快適な空間

    創業から150年が経とうとしている旅館、リニューアルをしたとはいえ、古さや不便さを想定して向かいました。ところがその想定は見事に裏切られることに。

    木造建築は部屋も廊下も冬の寒さが厳しいと覚悟していましたが、部屋も廊下も浴衣1枚で過ごせるほどに暖かさが保たれています。部屋の窓には断熱(遮寒)用の厚いカーテンがあり、外の寒さをほぼ遮断してくれました。驚いたのは、廊下のすみずみまで暖かいこと。どこを歩いていても等しく暖かいというのはその意識が旅館にないと実現しえません。目には見えないたしかな気遣いを感じたポイントでした。

    至福ポイント3:慇懃すぎずカジュアルすぎない距離感

    歴史からしても価格帯からしても、いわゆる伝統的な日本旅館のおもてなしなのかなと思っていたところ、これもまた良い意味でそうではありませんでした。修善寺と旅館との送迎はアルファードと高級旅館らしさはありますが、実際にサービスに従事している方たちはフランク。私の滞在時は20-30代のスタッフの方が多く、研鑽なさっている様子を感じるシーンもありましたが、旅館のビジョンがサービスに浸透しているなあという印象でした。

    私はうやうやしく持ち上げられるもてなしよりも、旅館への愛着がだだ漏れしてしまうぐらい施設やサービスについて語ってくれつつもこちらからのアプローチ以外はそっとしておいてくれるぐらいの距離感が好みなので、適度に感じられました。

    至福ポイント4:隅々まで行き届いた清潔さ

    ホテルや旅館で最も本気度が伺えるところ、それは清潔さだと個人的には思っています。専有部分はゲストふたりのためだけに、共用部分はいつだれがどんな風につかうかわからないなかで、常に宿泊客の目線で清潔と整頓を保つことは容易ではないこと。

    『おちあいろう』はこの清潔さの維持具合が素晴らしかったです。客室の畳、広縁、洗面台のどこを見ても文字通り塵ひとつ落ちておらず、ほこりも目につかず。ラウンジ、お風呂、サウナ、貸切風呂も同様。全16室といえど満室ななか、常にグラスを片付け水しぶきを拭きあるべき姿をキープするというのは、相当の決意がないとできません。

    至福ポイント5:飲みものや本との出会い

    ラウンジには食にまつわる本、地場のワインやビバレッジ、スイーツなどが置いてあります。本は、向田邦子、高峰秀子、『つやつやごはん』『ずるずるラーメン』、『サ道』などのサウナ・温泉もの、ゴルフなど。伊豆でつくられたワイン、伊豆のクラフトビール、ジュース、アイスキャンディーやどら焼きアイスまで。伊豆の地で生産されたものがセレクトされています。

    至福ポイント6:家ではできない心地よい体験

    『おちあいろう』で満喫すべき体験は3つ、「暖炉」「吊り橋」「サウナ」。滞在の醍醐味はこの3つに集約されているといっても過言ではありません。実際、暖炉(ラウンジ)→サウナ→夕食→暖炉→サウナ→睡眠→サウナ→朝食→サウナ→暖炉というループでした。これが叶うところはまだそんなに多くないので、ここぞとばかりに巡回。

    不条理もSNSも忘れて

    『おちあいろう』のエンターテインメント性は、現実を一時的に忘れ去るには充分。

    庭園を眺め、吊り橋を渡り、ブランコに乗り、本を読んで、クラフトビールを飲んで、アイスキャンデーを味わって、温泉につかって、サウナで整って、夕食を食べて、また温泉につかって、サウナで再び整って、ビールを飲んで、夜食を食べて、ぐっすり寝て起きて……と、やることが盛りだくさん。まさに時間との戦いです。

    やりたいことがたくさんあって忙しいし、ひとつひとつに感動しきり。だから温泉に身をゆだねている時も純粋に「あ〜〜〜温泉さいこ〜〜〜」だしサウナで整うと「あ〜〜〜整ってる〜〜〜」で、仕事のもやもやが入る余地がないぐらい。

    感動を残したくてTwitterを開くものの、目の前の現実の方が何倍もリアルで美しいということにハッとしました。今手にしているものを100%愛でることのほかにやるべきことなんてないんだな、と。

    整え親方が手がけたサウナ

    サウナ界隈で有名な整え親方こと松尾大さんが手がけたサウナがあります。プロサウナーが評価する「サウナシュラン」にて、サウナ専門施設やスパをおさえて2020年7位、2019年5位にランクインしている実力派。茶室を模し宙に浮いているような「茶室サウナ」、温泉が流れ込む「洞窟サウナ」の2種類があり、女性はチェックイン日が「茶室サウナ」、翌朝が「洞窟サウナ」を体験できます。

    これはもう旅の目的にしてもよいレベル……!

    良いサウナの条件には、サウナの温度・水風呂の温度・外気浴環境の3つがあります(とつぜんのサウナ講義)。『おちあいろう』のサウナは温度計がなかったのですがおそらく85℃ほど、セルフロウリュといって熱されたストーンに自分で水をかけて温度を上げることができます。低めの温度で長く入りたい場合はロウリュをせずに、高音のなか短時間で温まりたい時は水をかけるとストーンが発する蒸気で温度がぐんぐんと上がっていきます。

    「茶室サウナ」では茶室の下に川の水が流れ込む水風呂があり、この天然水風呂がまた最高すぎました。水温が10℃以下の水風呂をシングルと表す用語があるように、この冷たさを保つのは専門の冷却装置が必要なためなかなか見かけないのですが、ここは川の水なので天然の冷たさ。10℃を切るか切らないかぐらいの究極の冷たさでした、心臓麻痺に注意レベル!

    だからこそ、「茶室サウナ」でセルフロウリュをしてぐんぐん温度を上げて、水風呂にどぼんと飛び込んで(汗を流してからね)、外でぼーっとするというこの1セットが効き目抜群。サウナの室温と水風呂の水温との差が大きいほど血管の収縮具合が大きく、心拍数も上がります。サウナ:水風呂:外気浴=4:1:2が原則。サウナに8分入ったら水風呂に2分、外気浴に10分という具合です。「茶室サウナ」には外気浴できるデッキチェアは残念ながらないので、タオルを敷いてデッキに座るか、脱衣所のいすに座るかになります。

    「洞窟サウナ」の良さは、露天風呂の横にデッキチェアが置いてあるところ。サウナ、シャワー、水風呂、デッキチェア、露天風呂と続いていて、しかも川が目の前。女性は朝入ることになるので、明るいなか川のせせらぎと木々のそよめきを感じながら自然たっぷりのなかサウナから露天風呂まで堪能できます。

    都内で外気浴ができるサウナはとても少なく、スパやホテル・旅館でも水風呂がなかったり外気浴ができなかったりと3つを備えているサウナは実はそこまでありません。『おちあいろう』は3つを有するだけでなくひとつひとつのクオリティが最高レベル。加えてサウナが無機質ではなく茶室や温泉流れ込みなど独自の魅力があり、さらに川や木々の自然まで感じられるという点で、プロサウナーたちが賞賛する理由が身を以てわかります。まるごと家に欲しいレベル……。

    本と暖炉とクラフトビール

    サウナと同じぐらい長居したのがラウンジ。本、音楽(70年代の懐メロ)、スパークリングワイン、クラフトビール、ノンアルコールドリンク、コーヒー、紅茶、スイーツ、おつまみなどが揃っています。

    この居心地が最高でした……!

    席数は20席ほど、暖炉のまわりや窓沿いにいすが配されています。火のそば、景色の見える窓側など好きな席へ。本のセレクトに、ここでどんな時間を過ごしてほしいかが透けて見えます。お腹がすく本ばかりでした。

    火には、温泉につかっているのと同じようなやすらぎと豊かさと解放感を感じさせるパワーがあります。薪がほぐれるパチパチとした音を聴きながら揺らぐ炎を眺めていると、頭をからっぽにしてぼーっとできて、現実から隔離された感。

    スパークリングワインを飲んで、本を読んで、クラフトビールを飲んで、火を眺めて、プリンを食べて、紅茶を飲んで、音楽に耳を傾けて、どら焼きアイスを食べるーそんな風に延々リピートしてしまいました。

    セルフサービスで思い思いに楽しめるので、気楽に気軽にふらっとラウンジに行けるのもよかったです。

    強いて言うならば

    食事がすこし惜しかったかなと思っています。夕食・朝食ともに、地場の食材を多くつかった料理が並び、名物のわさびも味わえます。山の宿なのでジビエや野菜がメインですが、全体的に季節感とボリュームが物足りない印象。滋味あるシンプルな料理が好きな人はよいかもしれません。もう少し強弱とインパクトが欲しかったなと思ってしまいました。

    でもサウナとラウンジが充実しているので、食事は質素めにしてヘルシーに過ごしてくださいというメッセージかもしれません。

    文化と回復を感じられる名旅館

    建物の風情、伝統的な建物、プロがプロデュースしたサウナなど、この旅館ならではの魅力が満載でした。ハード面もソフト面も絶妙に設計されていて、これらが相まってトータルで最高の体験を提供するのだなあと改めて感じた旅館です。

    訪れる人の感動を奪わないように、あえていくつかのサービスについては書きませんでした。私自身がクチコミをほぼ読まずに訪れて、知らなかったゆえに感動できたことばかりなので、ぜひ現地で楽しんでみてください。

    ここで過ごす時間と体験は、「こんなところで羽をのばせることが働いている意義だ」と確信させてくれるに充分。この旅館滞在を楽しむために、せっせと働いているのだ、また来ようーそう思わせてくれる体験が待っています。

  • 「よくやった!」と「さあ次だ」の間にケア&チャージしたい

    「よくやった!」と「さあ次だ」の間にケア&チャージしたい

    気分:「やりきったえらい!」と「また始まるぞ」

    「あーよくがんばった!本当にがんばった!」と達成感に満ち満ちていて、清々しい無敵感!でも次もすぐ始まるから、この勢いをそのまま続けたい。だから自分をほめて甘やかしてケアしながら、次に向けたチャージにもなるような、そんな時間がほしいなー。

    今回は、そんなポジティブな旅を求めている時の提案です。

    人を動かし企画を動かしお金を動かしと、ONでもOFFでも常に仕事のことで頭がフル回転していた数か月。ついに終わりを迎えた時には、これまでの全力投球に達成感と満足感とを味わえますよね。「自分で自分をほめてあげたい」と「すぐ次が始まるけどこの勢いのままいけたらいいなー」とが入り混じって、前向きな爽快さにあふれている、そんな時。

    一方で、早くも次のプロジェクトが待っていて、可能ならば1週間でも2週間でも仕事から離れて南の島の離島とか瀬戸内海の小さな町とか見渡す限り緑しかない草原とかでひたすらぼーっとする時間を過ごしたいところではあるけれどそうもいかない、という状況がほとんど。

    そんな時は、やりきった自分をおもいっきり優雅にねぎらいながら、次へ向けて英気を養って充電できる時間がおすすめです。

    そんな「リトリート」兼「滋養強壮」を叶える旅がありました。


    症状:アドレナリンでランナーズハイ

    走り続けてきた高揚感が最大瞬間風速になっていて、何も疑わず無条件で自分に胸を張れるという時、フル回転してきた頭も体も心も実はアドレナリンが大放出されている恐れ大です。

    こういう時に伊勢丹に行ってしまった日には大変です。正常な判断ができなくなっている可能性あり。

    集中して駆け抜けてきたからこそ心身ともに負荷はかかっていて、気持ちは元気でも確実に疲れは溜まっている。張り詰めていた糸が切れた時の反動がいちばんこわい。そうならないように、予防策も兼ねてあえてスローダウンして切り替えすることが必要。

    無敵感がある時こそ意識して心身を休めることが、その後の息切れや燃え尽き症候群を避けられるかどうかの分岐点になります。


    ずっと走り続けている時の小休止だから、妥協しない

    これまでも走ってきて、この先も駆けていくことは既定路線。だからこそ、その間の踊り場は最高のご褒美と栄養剤とであってほしい。過去の労いと未来のガソリンとを同時に満たす時間と空間と体験が必要です。

    日常から離れられて、特別感があって、ストレスなく過ごせて、元気になれるところ。
    小休止でさくっと、でも濃密に過ごせるハード面とソフト面を備えているところ。


    過去を労い未来を鼓舞する、ベストなかたち

    そんな条件を満たし完璧に機能した場所が『パークハイアット東京』でした。

    ・時間と労力をつかう遠出より、効率よく東京で
    ・ハードもソフトもハイクラス 空間とサービス両方ともにがっかりしない
    ・ホテル内で贅沢に過ごせる 客室・レストラン・プール・スパが揃っている
    ・非日常感のある景色を望める
    ・ストレスのない滞在が叶う

    この5点を満たしていて、自分のねぎらいと英気補給とが同時に叶う滞在となりました。

    ハードもソフトも素晴らしかったのですが、最も感動したのは「人」だったかもしれない……。

    定量的でなく再現性がない部分は評価指標に基本は入れないのですが、『パークハイアット東京』で最も記憶に強く残っているのは人でした。そんなに多くの接触があったわけではないのですが、到着した瞬間から建物を出る一歩まで違和感や失望が一度もありませんでした。こんな体験は初めてでした。


    私的ベストステイ モデルケース

    『パークハイアット東京』、国内外でさまざまなホテルに泊まってきたなかで、トータルのでNo.1の体験でした。

    なぜベストと感じたのか?を掘り下げながら、私が過ごした時間を時系列でまとめていきます。

    はじまりはアフタヌーンティーで

    チェックインは15:00。今回はホテルで過ごす時間を長くとりたいという思いもあり、チェックイン前の12:00に『ピークラウンジ』のアフタヌーンティーを予約しました。

    ちょうどこの日は雲ひとつなく、ガラス張りの天井から青空と光がたっぷり望める快晴でした。

    3段式、色合いと季節感が美しい。11月初旬は、かぼちゃ、りんご、いちじくなどが登場しました。

    この3段に加え、スイーツとフィンガーフードが別途運ばれてきます。これがまた種類も質も素晴らしくて……こちらはおかわりも可能です。

    小さな宝石を心ゆくまで食べられるなんて、甘党はときめきが止まりません……。リコッタとマスカットのサンドイッチの組み合わせに悶絶し、スイーツはシャインマスカットのパンナコッタ、モンブラン、カシスムースが特に好みすぎて2周してしまいました。

    ドリンクは、コーヒー、奈良・月ヶ瀬の日本緑茶、インドやスリランカの紅茶、ハーブティーより。

    日本緑茶は「かぶせ煎茶」「焙煎かりがね茶」「月ヶ瀬ファーストフラッシュ」「月ヶ瀬烏龍茶」「レモングリーンティー」「シナモン オレンジピール グリーンティーの6種類、紅茶はダージリン5種、アッサム、ヌワラエリア、ウバと計8種ほか、ブレンドやアールグレイなどオリジナルアレンジ、ハーブティー4種が揃っています。

    ほぼ満席だったので、各席の話し声の存在は確かにあるのですが、天井が高いこともあり静謐さが保たれていました。ホテルのアフタヌーンティーは見た目にも味にも空間にもテンションが上がり女性同士で盛り上がるシーンが多いもの。『ピークラウンジ』も各所思い思いに過ごしているものの、席数130席とは思えない落ち着きでした。声が響かずやわらかく吸い込まれる感じ。味とお茶に集中できるし、話していても自分の声が通ってしまっている居心地の悪さがなくて居心地がよかった……。

      

    絨毯を踏みしめてさあ客室へ

    アフタヌーンティーを2時間強楽しんだ後、いよいよ客室へ。

    基調色のモスグリーンが、重すぎず軽すぎない絶妙な味わいを醸し出しています。館内は廊下も客室も絨毯が敷き詰められ、重厚感を演出。

    本日の客室へ足を踏み入れると……

    客室にもさまざまなアートが設えられています。特にバスルームのこの絵は大きさも色づかいもインパクト大。置いてある書籍もアート関連でした。

    黒の占める割合が多いため、重厚感のあるしつらえ。どっしりした雰囲気のなかにアートが存在感を放っています。ウッディなあたたかさやシンプルさという感じではないかな。

    客室全体がミニマルに整えられているので、電気のスイッチを5分ぐらい探したりなんてことも。わからないことはすぐ聞くのがよさそうです。 

    トワイライトはプールへ

    旅を色濃く記憶に残す方法のひとつが、夕日と朝日。日の入り時間を事前に調べ、最も夕焼けやマジックアワーを楽しめる場所を考えておくのがおすすめです。

    今回は最も景色が美しく望めそうなプールへ。

    人数制限をしていたので、プール利用希望を伝えてから1時間弱待ちました。トワイライトに間に合わないかもしれないとハラハラしましたが、無事日の入り時刻に滑り込み。トワイライトは日の入り時刻から30分後でした(季節や緯度によって変わります)。

    まだ明るい外が徐々にブルーを帯びていく様子は何度見てもどこから見ても格別。四方がガラスなので東西南北すべての景色を眺められます。

    トワイライトプール、なんだか異世界で良い!もくもくと泳ぐ気持ちよさは想像以上でした。一心不乱に何かをするって脳疲労を軽減するパワーがある。

    温水プールで泳いだり、東京タワーを見ながらランニングしたり、ここまでTHE東京を感じられる場所もそうそうないのかなと思います。東京感を感じるけど、1周まわって非日常。

    1時間ほど泳いだあとはスパエリアへ。写真はないのですが、このスパが本当に本当に最高だった……。お風呂40℃、ドライサウナは80℃と90℃の2種類、ミストサウナ、22℃の水風呂と絶妙な温度設定!サウナ8分→水風呂2分→(本当は外気浴がしたいけどできないので)ラウンジ10分を何度も繰り返しました。整う整う。そのあとはお風呂にも入り、とにかく無限ループし、極楽すぎてとろけた記憶しかありません……。

    しかもアメニティがAesop。クレンザー、トナー、セラム、クリーム、シャンプー、コンディショナー、ボディクレンザーとひと通り揃っています。Aesopの香りに包まれているだけで幸福感上昇。

    ラウンジはリクライニングチェア、ソファ、イスと揃い、雑誌や書籍も数冊ずつ置いてあります。ウォーターサーバーもシャワースペースとラウンジに。

     

    客室を長く楽しむ方法

    3時間近くプールとスパを堪能し、よい感じにお腹がすきます。

    今回宿泊を予約した時からディナーもホテルで、と決めていたのですが、運悪く限られたレストランしかオープンしておらず。そこでルームサービスにしました。これが大正解。

    『ジランドール』から届きます。

    ルームサービス、最高すぎました。

    ・部屋にいながらホテルの食事
    ・できたてをできたてのまま(デリバリーと違ってスープの冷めない距離)
    ・店員さんの視線なし
    ・好きな音楽をかけられる
    ・好きな格好で(ドレスアップもよし、すっぴんパジャマもよし)
    ・写真撮影も自由
    ・思い思いのペースで
    ・騒いでもOK

    自宅のようにリラックスできるのに、自宅とはちがう仕様の非日常の空間。
    ホテルレストランの味を、人目を気にせず自分のペースで。
    好きな音楽をかけて、自由に会話をしながら。

    レストランでは叶わないことをホテルにいながら叶えられる魔法、それがルームサービス。

    パワーブレックファースト

    夕食をルームサービスで楽しんだので、朝食はレストランへ。

    『ジランドール』では、3種類より選択できました。

    ・ブレックファーストブッフェ
    ブッフェより好きなものを好きなだけ。卵料理はスクランブル/フライ/ポーチ/ボイル/エッグベネディクト/オムレツより。

    ・ヘルシーブレックファースト
    スムージーまたはイミューンシステムジュース、シリアルブレットのトルティーヤ、ケールサラダ、チアシード&アーモンドミルクプディング&フルーツサラダ、ギリシャヨーグルト、シリアルバー、フライドエッグ、ハーブティーのセット。

    ・『梢』 和朝食

    このブッフェ、種類が多いというわけではないのですが、1品1品の質がとにかく高い。ひとくちごとに感動しながら、ゆっくりじっくり時間をかけて味わいたい朝食です。

    卵料理はエッグベネディクトをチョイス。これがまた人生No.1のエッグベネディクトでした。メニューにあるとつい頼んでしまうものの、すごくおいしいという印象はこれまでなかったエッグベネディクト。いままでのエッグベネディクトの概念を覆される品でした。

    ヘルシーブレックファーストのセッティングもかわいかった。

    なぜパークハイアット?

    ひとことで表すと「最大限ストレスフリー」、これに尽きました。

    客室もスパもレストランもルームサービスも、どこも違和感やストレスを感じることが一度もありませんでした。「何も考えずに自分をリトリートしたい」という理想にまさにぴったり。

    案内や清潔さになんのひっかかるポイントもないため、施設やサービスの快適さをまっすぐに享受できます。違和感を抱かず、本質じゃないことを考えずに、目の前の「うわ〜〜〜」という感動を純粋に楽しむことができました。

    不便や不満など“不”を感じさせない空間こそ最大の癒しであり充電になるのだなと実感。これこそが本物のラグジュアリー。

    住み慣れた家でくつろぐ時間となにがちがうのか?というと、隅々まで行き届いたケアによって自分に集中できること。

    国内外で、ラグジュアリー含むさまざまなホテルに宿泊してきましたが、『パークハイアット東京』のゲストホスピタリティは記憶に残るレベルでした。

    特にスパの印象が強烈です。
    宿泊客とトリートメント利用者とどちらもひっきりなしに利用する空間ながら、常に清潔と規律が守られていました。
    置いてあるタオル類は常に美しく補充され、ドライヤーやアメニティ類は乱れず、最も気になる髪の毛が目に入りませんでした。(各自で片付けられる客層というのもあると思います)

    タオルやアメニティなど、補充や整頓が間に合わないことは起こりえるので都度チェックしたりがっかりしたりはしないタイプですが、『パークハイアット東京』では「あ、ここが追い付いていないな……」という瞬間が私にはありませんでした。

    ホテルでこの状態がキープされているし、自宅だとどうしても「あそこ掃除しなくちゃ」など目についてしまったりするものだけど当然その掃除の概念は考えなくてよいしで、この効果が精神衛生にとてもよい……!

    細かい雑念や本質的ではない事に気が散ったり、掃除や整頓をできていない自分に自己肯定感を削られたり、「あー近いうちにやらないと」と頭のCPUを占拠されたり、そういうことが無縁な環境の素晴らしさたるや。

    『パークハイアット東京』は、リラックスすること自体に集中できる環境が整っていました。スパでは集中してリラックスでき、客室では集中して過去の振り返りや今後のプランニングができ、レストランでは集中して健やかな食事を味わえる。

    ワーケーションなどホテルで旅行と仕事を兼ねた滞在を、という新しいスタイルも生まれていますが、仕事環境とリラックス目的の仕様では求めるものも異なるなど両立するのは想像以上に難しいんですよね。

    その点『パークハイアット東京』では、静謐で清潔で整えられた空間によって、集中して休み集中して考えるということが叶えられるなと思いました。

    パークハイアットのここがすごい

    ユーザーファーストの極み

    全方位が完璧でした。違和感を感じることのない環境整備とオペレーションがここまで整えられているホテル、本当に貴重。脱帽を超えて感動の域でした。

    「タオルが置いてあったらいいのに」「タオルがごわごわだな……」「髪の毛が落ちているな」「床滑りやすいな」「水はけが良くないな」「よくあるアメニティだな」「バスローブのまま移動できないのか……」など、無意識のがっかりはどうしても避けられないんですけど、『パークハイアット東京』ではそういう瞬間が文字通り皆無でした。

    細かなリクエストや無意識に抱く理想に応えている、これはなかなか実現できないことです。オペレーションファーストではなくユーザーファーストであることの証明。

    東京百景

    『パークハイアット東京』は四方に窓が配されていて、360度ぐるりと外を見渡せます。
    東京タワーも明治神宮も皇居も、そして海や富士山まで。
    この振れ幅の大きさに東京を実感。
    日本の中心でがんばってやれているんだなあと感慨深くなったり。

    補充・発散・リラックス・インスパイアを満遍なく

    ホットタブもドライサウナもミストサウナも水風呂も揃っているのでリラックスには言うことなし、プールもジムもあるので発散もOK、ハイクオリティのスイーツと食事で栄養補給と英気補給、アートと東京360度でインスピレーションたっぷり。

    リラックスに寄りすぎると日常への復帰がつらいし、インスピレーションばかりだとアドレナリンが出すぎて心身が休まらない。『パークハイアット東京』は非日常と日常との境界線が絶妙に曖昧に溶け込ませられている場所でした。

    ひとり占め感を感じさせる余裕のある設計

    客室数が多くなく、レストランでもプライバシーが確保しやすい、ピークラウンジもジランドールも空間をうまく使って人目がお互いに気になりづらい設計と感じました。人の気配を感じづらいのは非日常の時間では余計なストレスを感じずにすみます。

    真のラグジュアリーたる体験がここに

    こんな空間で過ごすと、「よくがんばってきたなあ」「しっかりひと息つこう」「充分に認めてあげよう」と素直に思えます。これでこそ真の休暇!

    ラグジュアリーにはさまざまな意味や定義がありますが、『パークハイアット東京』で感じたのは“ストレート・コンフォート”でした。不便・不満・不安などあらゆる“不”が存在せず、ただまっすぐに快適さを感じられる環境こそラグジュアリーの極み。自宅でも別荘でも得難い体験だからこそ、自分のために足をはこびねぎらいと英気を得る最高の場所となりました。

  • 東京忙殺生活、最小労力で最大リフレッシュが欲しい

    東京忙殺生活、最小労力で最大リフレッシュが欲しい

    ぎりぎりのところで踏みとどまってはいるものの、このままいくとまちがいなく病む…!

    東京で働いているそんな状態の人への提案です。

    疲れた時こそどこか行きたいですよね…「とにかくリフレッシュしたい…」と思いながらも、旅行で疲れちゃうと次の週に体力がもつかどうかもちょっと心配だったり。

    そんな相反する気持ちが “あちらを立てればこちらが立たず” にならない旅行はできるのだろうか…という心配を胸に、「東京忙殺生活、最小労力で最大リフレッシュが欲しい」という気分を解消すべく実行してきました。どんな旅行がリフレッシュになりつつ疲れを残さないのか、振り返りながらまとめていきます。

     

    症状:頭も体も心もパンク寸前……!

    ・両手におさまらないほどのタスクが次から次へと湧いてきて何からどう手をつけていくか、頭はフル回転。
    ・息つく間もなく考え続け話し続け移動しメールを書き資料をまとめると肩も腰もバッキバキ。
    ・失敗しないように適切に伝えられるようにと気を遣い続けてぐったり。
    ・たとえ好きな内容であろうとも、テンションが上がる瞬間があろうとも、手応えを得ようとも、緊張もプレッシャーも加われば疲れは避けられず。
    ・自分がまわす仕事が増えれば増えるほど、この日々の終わりは見えない……。

    そんな状態、どんなに仕事が楽しかったりやりがいがあったりしても、ヘルシーとは言い難い。。かといって抜けたり休んだりはそう簡単にできないことがほとんどで、特にいつ落ち着くのか先が見えない時はなおのこと、どう気持ちを保てばよいのかもわからなくなりがち。

    「そんな絶望の淵でなんとか踏みとどまるための旅ってないかしら…」と思い立っての旅を考えてみました。

     

    どんな条件がよいのだろう?

    マルチプロジェクトによる脳疲労、残業残業で肉体疲労、気遣いすぎで精神疲労のトリプルパンチ。心技体のフル回転が日常になっている状態は、張り詰めた糸と同じ。朝から夜までそれだけ忙しいと、ランチの時間もろくにとれず、帰宅途中に百貨店に寄りたくとも営業時間に間に合うわけもなく、家と会社の往復しかできずにいる生活では癒やされるはずもない日々では……?

    疲れにからだが侵食されていく感じ。

    疲れは思考能力も気力も奪うので、ダブルパンチの渦中でも考えすぎず計画も旅行もさくっとできることが重要。

    満たす旅の条件をざっと挙げてみると……

    ・1泊2日
    ・行きも朝ゆったり、帰りは夕方には帰ってこられるゆとりのスケジュールが組める
    ・移動時間は2時間以内
    ・車でも電車でもバスでも行ける
    ・何もしなくとも東京を出た感を盛大に感じられる
    ・部屋食ではない
    ・和室でもベッド
    ・温泉
    ・お風呂の数や広さが豊富(できればサウナも…)

    こんな条件を満たす場所&宿はあるのか?半信半疑で探してみたところ、見つけました!

    そして結論は最高でした……!

     

    箱根?湯河原?熱海?房総?

    どんなところに泊まるかはどの旅でも最重要ポイント。

    ですが、疲れていて探す時間も手間もなかなかとれないどころかいつもは楽しみな宿探しもちょっと億劫になってしまうような忙しさの最中では、「どこに行くか」が鍵を握るといっても過言ではありません。

    上で挙げた条件のうち、この4つを場所選びの条件としました。

    ◆行きも朝ゆったり、帰りは夕方には帰ってこられるゆとりのスケジュールが組める
    ◆移動時間は2時間以内
    ◆都内から車でも電車でもバスでも行ける
    ◆何もしなくとも東京を出た感を盛大に感じられる

     

    それぞれもうすこし詳しく考えてみると…

    ◆行きも朝ゆったり、帰りは夕方には帰ってこられるゆとりのスケジュールが組める
    →朝は10時頃、帰りは17時頃までに帰ってこられると、がっつりしすぎずあわただしすぎないスケジュールに。一方で前の日も残業かもしれないし、旅行となるとテンションが上がって早く起きれるかもしれないし、どちらに転んでも柔軟に早めたり遅めたりできるといいなと。となると飛行機は(そもそも1泊2日だし)なし(思い立って行くには飛行機代も気になるし)。

    ◆移動時間は2時間以内
    →ドアtoドアで2時間が疲れない移動の限界かなと経験上思います。たとえば「新幹線で1時間、そこからさらに車で1時間30分」「電車で2時間、宿までバスで1時間」は移動で体力削られてしまう……。

    ◆車でも電車でもバスでも行ける
    →どの交通手段を選んでも2時間ぐらいで行けるというのは利便性が高いです。実際に利用するのは1つだけですが、たとえば行きは電車で帰りはバスというように選択肢があるとスケジュールにも融通が利きやすいなと。

    ◆何もしなくとも東京を出た感を盛大に感じられる
    →最後に挙げましたが、これが実は結構なポイント。手軽にホテルステイであれば都内でもできますが、“最大限のリフレッシュ”を目的とするとやはり東京から出たいもの。せっかく東京から脱出するのであれば、東京とは真反対の景色に身を置けたら非日常感があふれるはず。

    近場となると箱根・湯河原・熱海・房総あたりがパッと浮かびますが、最後の4つめがすこし弱いかなあと思っていました。するとこの4つを満たすもっと最適な場所があったのです。

     

    解決策:直通で圧倒的絶景へ

    そこは、富士山をのぞむ河口湖。

    河口湖周辺はここ数年、海外からの観光客に大人気。湖周辺の宿は年間を通じて8-9割と高い稼働率で推移してきました。ほかの観光地に比べてはっきりとしたオフシーズンがないエリアともいえます。

    どの時期でも極力混雑を避けたいタイプとしてはなかなか候補になりづらく…。今回も、近場で考えた時に浮かんだ場所には入っていませんでした。

    実際、最初は伊東に決めかけていました。ところが相談しているうちに満室になってしまい、また探し直しかーと思っていたところにふとひらめいたのが河口湖。

    「そういえば電車でもバスでも本数多いし、都内から乗り換えなしで行けるし、2時間ぐらいだし、一応温泉もあるし、なんといってもドアップの富士山は非日常感満載では……!」とひらめきました。

     

    選んだ旅館は……

    そうしてたどりついたのは、「うぶや」という旅館。

    河口湖周辺は(箱根と比較して)高級旅館がさほど多くなく、食事の特徴に乏しいイメージがあり(海は遠くブランド食材などが少ない)、源泉かけ流しエリアでもないことから、いつか行きたいリストにも入っている宿はなくノーマークのエリアでした。

    立地的条件から浮かんだものの「さて宿はどうしよう」となった時、浮かんだのは情報通の言葉。以前このエリアに詳しい旅館営業マンに「富士山が見える宿で1つだけおすすめを挙げるとしたら?」と尋ねた時、返ってきた答えが「うぶや」だったことをとつぜん思い出しました。

    もちろん施設やアクセスなどの詳細は、自分の目でも事前に確認。

    ◆アクセス
    電車・バス・レンタカーのどれも利用可。どれでも2時間前後。
    電車・バスの場合、河口湖駅から宿までは適宜送迎あり(10分程度)/バスも目の前に停止。

    ◆温泉
    源泉かけ流しが好きで、普段探す時は源泉かけ流しにチェックを入れています。加水加温や循環ろ過はこの時点で候補から外れるため、出会える機会が少なく、いつか行きたいリストに入ることもなかなかないのです(そのため「うぶや」もリストには入っていなかった)。「うぶや」は循環ろ過ですが、温泉があるだけよいかなと今回は。
    内風呂以外にも露天風呂、寝湯、座湯、ジェットバスなどがあり、サウナも備えていたので、お風呂タイムは充実しそう。

    ◆食事
    ブランド肉や新鮮な海鮮などの目玉はなく、正直なところ地味な印象。普段はその土地ならではの食材や料理に力を入れている宿を選ぶので、今回は食事はあまり期待せず。
    部屋食や個室処ではなく、夕食・朝食ともにダイニング。

    ◆客室
    温泉と食事を普段の好みから譲ってまでもこの宿を選んだのは、全室から富士山が見えること。本当は露天風呂付き客室が希望でしたが、今回は宿泊の2日前に予約したのであいにく満室。次の間付き和室にしました。

     

    コンセプトが「人生を祝う宿」とのこと。人生を祝う場として選んでください、というメッセージは、お祝いの場に恥じないクオリティを提供するコミットメントと自信と解釈しました。ここまでコンセプトを明確に打ち出している宿はあまりなく、祝いの席という失敗のゆるされない場に選んでほしいという志にも惹かれました。

    目に飛び込む圧倒的景色にしばし言葉を失う

    チェックインの手続きはロビーにて。あいにくの曇り空でしたが、中庭の緑が目に飛び込んできます。

    そのあと客室へ案内してくれます。着物を召した仲居さん、まだお若いようにお見受けしたけれど大仰なぐらいうやうやしく、旅館の矜持を感じます。

    5階の部屋に足を踏み入れると廊下の先には期待以上の景色が……!

    この迫力、実物は写真の何十倍。
    今回の客室は窓辺にソファセットが配してあり、寝転がりながら真正面に富士山を望むことができます。

    陽が沈む数分前の色合い。湖に富士山が映り込む逆さ富士も出現して、ため息もの……。

    客室のつくりはこんな感じでした。

    お風呂からも望める富士山

    チェックイン後はさっそく露天風呂へ。露天風呂ほか、ジャクジーに寝湯などを備えた内風呂、サウナが揃っています。(水風呂がないのが残念!)

    富士山、何分でもぼーっと眺めていられる。あまり風がない日でしたが、それでも雲が流れて富士山の見え方はめまぐるしく変化していました。

    夏はどうしても冬ほどはクリアに晴れにくいなか、これほどくっきり見られたのはラッキーだったと思います。

    食事はおまけ程度に

    予約したのが宿泊の前日というラストミニッツだったせいか、予約できるプランが限られており、夕食はしゃぶしゃぶ一択でした。

    特に名産や名物がある、というわけではなさそう。量も上品で、男性は足りないかもしれません。

    食後はレストランに併設されているラウンジにデザートを持ってきてもらえます。ラウンジからももちろん富士山がばっちり(夜は見えないのでこの写真は夕方に撮影したもの)。

    館内にはちょっとした設備が

    卓球台、マッサージチェア、スパなどもあります。

    卓球は利用可能な時間とスケジュールが合わずできませんでした。チェックインして温泉に行ってマッサージチェアでほぐれて(スパは予約でいっぱいでした)お風呂上がりのビールをひっかけ食事に行きデザートまで堪能していると、すでに卓球のできる時間が終わっていた……。

    結論:最小労力で最大リフレッシュの目的達成

    東京都心から箱根と同じぐらい気軽に行けて、且つ東京では見られない圧倒的な景色が広がるという点で、河口湖は有数の候補だなと改めて感じました。

    車を持っていない人にとっては、バスも電車も選べて本数が多く予約をしなくても乗れるというフレキシブルなアクセスはとても魅力。

    リフレッシュというと海か山か高原かが浮かびやすいですが、富士山&湖というチョイスは有用でした!

  • コンビニ漬けや剥げたネイルからエスケープしたい

    コンビニ漬けや剥げたネイルからエスケープしたい

    症状:忙しすぎてすべてが後手…気力が湧かない…

    仕事に打ち込みがちな20-30代の働く女子、疲れを溜めて参りがち問題を我が身でも感じます。

    つい最近の私の瀬戸際はこんな感じでした。

    コンビニごはんに剥げたネイル、これが続くとまずい。頭ではわかっている。わかってはいるけど、仕事を終えたらネイルを直すよりも寝たい…。仕事は楽しくなくはないしまだ気力はあるけれど、これが続いたらさすがに病みそう…。

    たとえば昇進して担当領域が増えた時の毎日はというと…

    ・To Doリストは常に5個以上、至急案件から“緊急度は低いが重要な事”まで順番待ち。
    ・どこか客観的に「ああそろそろきてるなあ」と感じながらも目の前にはさばいてもさばいても減らないタスクが山積み。
    ・ネイルを直す時間を見つけることを考える時間すらない、という状態。
    ・タスクをいかにこなすか以外の感情、たとえば「今日の夜はどうしようかな」「週末はカフェでも行ってあの本読もうかな」などの楽しみが湧いてこない。
    ・これが続くとまずいことは頭ではわかっているものの、現状は休みをとるのも難しいし…。

    この5つすべてがあてはまっていました。2つでも危険信号な気がするのに5つって…!

    そんな黄色信号の時、“強制離脱”により想像以上にリフレッシュできたので、そのエスケープをまとめていきます。

    解決策:金曜半休でリトリート

    忙しいながらもプロジェクトの終わりが見えていると「この日までは…」となんとか踏ん張りながら「終わったらぜったい休みとって海外行く…」と決意もできますが、常に120%フルスロットルだと息をつくタイミングもわからなくなりがち。

    私は根を詰めると無意識のうちに全身に力が入っていて、気づくと全身ガチガチで、思考パターンもガチガチ、柔軟性や希望という概念が消失します…。

    そんな時に「手軽に、でも劇的にリフレッシュする方法って何だろう?」と考えて実行したプランが素晴らしすぎたので、忙しすぎてすべてが後手で気力が湧かない激務女子におすすめです。

    まずそんなに忙しいと調べて計画して…の時間的余裕も気持ち的余裕もないのが正直なところ。且つ、まるまる休むというのも、後の自分を想像すると怖くなるのでできれば半休ぐらいに抑えたいところ。

    そこで私が選択したのが、金曜午後休からの東京都内1泊リトリートでした。

    東京に住んでいるのにもったいないと思ってしまう(実際に私もそう思っていました)けれど、そこは「家があるのにホテルに泊まるとはなんて贅沢…」に置き換えて。

    都内なら移動時間もほぼかからないし、移動に体力をつかうこともなし。都内での1泊なら最低限、下着とメイク落としさえあればOK。何か必要だったらコンビニが助けてくれる、そう割り切ってしまいましょう。

    金曜半休の最大公約数的つかいかた

    その金曜午後休リトリートでは、「どのホテルを選ぶか」が最大のポイント。

    今回実際に宿泊したホテルが素敵だったのは言うまでもないのですが、意外と重要だったのが「素泊まりにしなかった」ことでした。

    ホテルという空間はそれだけで非日常ですが、素泊まりでは完全な癒しは得られないなと感じます。なぜなら素泊まりだと、夕食と朝食のことを考えなくてはいけないから。

    頭も体も休めるには、意思決定の回数を減らす必要があるので、ここはホテルに身を任せるのが得策です。

    となるとベストは食事付き?

    ですが、夜はフルコースで朝はブッフェの王道パターンは、胃腸が疲れて支障をきたす可能性が結構な確率で高いです。しかも決められた時間にレストランに行って、夕食で3時間弱、朝食で2時間弱を費やすことを想像すると、「一旦仕事を忘れて好きなように過ごしたいのになんだか拘束時間が長いような…?」と私は思えてきてしまい…。

    そこで最適解は、ラウンジを利用できるプラン。

    主張してこないけれど耳になじむちょうどよい音楽や、うるさすぎず静かすぎない適度な話し声、好きな時に好きなものを選べる飲み物と軽食、窓から見える普段とちがう景色、それらが揃う空間でぼーっとすると、日常の延長のようで旅先の風情が漂う時間を過ごしている実感を感じられたなーと思います。

    ラウンジを利用できるとなると、クラブルーム以上。

    でも中途半端なラウンジだと物悲しくなるのです…。観光地だと家族連れやグループもいたりで落ち着けないし、大型ホテルだと混んでいてリラックスできないことも。

    ということを鑑みると、高級ホテルが最適解かなと思います。

    さてどこで?

    こんな諸々の条件から私が今回選んだのが、「ニューオータニ エグゼクティブハウス禅」。

    これがもう期待以上の最高の体験でした…!気に入りすぎて、4か月経たないうちに2回訪れたほど

    ニューオータニの本館の11・12階に位置する、「ホテル・イン・ホテル」をコンセプトに“スーパーラグジュアリーホテル”を謳う特別室です。

    フロントやラウンジはメインタワーにある通常客室とは別で、エグゼクティブハウス禅として独立しています。「ホテル・イン・ホテル」とありますが、感覚としてはクラブフロアやエグゼクティブフロアと同じかな。

    高級ホテルは都内にも数多あるのですが、この「エグゼクティブハウス禅」にはほかのホテルではなかなか見られない特徴が多数。それが今回この禅に決めたポイントでもあります。

    1. ピエール・エルメ尽くし

    禅だけの味がこれでもかと用意されています。マカロン、コンフィチュール、そしてクロワッサン。エルメのクロワッサンが食べられるのは日本でここだけとのこと。フランボワーズのコンポートとライチ、ローズ風味のマジパンが包み込まれた「イスパハン」は10〜3月に提供される名物だそう。

    提供される時間帯はアフタヌーンティーと朝食だったので、アフタヌーンティーで1個、翌朝に1個ぜひ(甘党にとっても結構なボリュームです)。

    2. 空気が良い

    ニューオータニは全1,479室と都内有数の超大型ホテルですが、「エグゼクティブハウス禅」はわずか87室。ニューオータニは客室によっては1泊1室2万円程度から宿泊可能ですが、禅は6万円以上。騒がしくなく、東京観光にはしゃぐ観光客にも遭遇しませんでした。ラウンジに慣れている方ばかりで、落ち着いた空間が保たれています。

    3. スタッフの質が高い

    ニューオータニ自体、ホテル内のどのスタッフの方も物腰やわらかくサービスレベルが一定。そのクオリティに、さらに磨きをかけている印象でした。「エグゼクティブハウス禅」には経験を積んだ方が配属されているのだろうなと感じました。

    4. 混雑しない

    「エグゼクティブハウス禅」は客室数が多くなく、混雑はありませんでした。

    チェックイン後間もないアフタヌーンティーやオードブルで満席に近い時はあったものの、座れないだとかドリンクがなかなか来ないだとかフードがないなどの事態にはならず。長居する人がほぼいなかったからかなと思います。

    5. 会員制スパが使い放題

    これがかなり大きかったポイントでした。

    禅の宿泊者は、「ゴールデンスパ」という会員制スパが使い放題です。ジム、サウナ、大浴場、プールが1箇所に揃っています。

    施設自体はいたって普通(むしろ年季を感じるほど)で特にラグジュアリー感はないのですが、なにがすごいかというと手ぶらでOKなところ。Tシャツやバスローブ、タオルのみならず、水着、靴、靴下でさえ…!

    私はアフタヌーンティーの後にひと泳ぎし、オードブルとナイトキャップの後にお風呂とサウナに行き、朝風呂にも行きました。

    受付のおじさまがこっそり教えてくれたのですが、なんとチェックアウト後でも利用できるとのこと。12時にチェックアウトした後、さらにひと泳ぎとサウナに入ってから帰ることができます。

    6. フードプレゼンテーションが6回

    フードプレゼンテーションというネーミングにもワクワクしますが、その数なんと6回。

    朝から晩まで開いているラウンジはよくありますが、時間帯ごとにメニューをがらっと入れ替えるのは並大抵のことではないですよね…。

    チェックイン後のアフタヌーンティー(14:30-16:30)、オードブル(17:30-20:00)、ナイトキャップ(20:00-21:30)、朝食(7:00-10:00)、モーニング(10:00-12:00)、ランチ(12:00-14:00)と計12時間、6種類のフードプレゼンテーションが用意されます。もちろんいつでもアルコールも楽しめます。

    アフタヌーンティーにはSATSUKIのケーキが登場。SATSUKIのケーキが並ぶのはアフタヌーンティーの2時間のみので、チェックイン後すぐにおやつの時間にすべし。

    普段仕事をしている東京にいながら、まだ陽の高いアフタヌーンティーの時間にシャンパンやワインを飲めるのは、これぞ非日常と思えて幸福感が増幅します。これは“いつもとちがう感”が強いのでとてもおすすめ。

    7. SATSUKIの最強の朝食

    朝食はなんと6か所から選べます…!エグゼクティブラウンジ、レストラン4か所、ルームサービス。レストランは、SATSUKI・TOWER BUFFET・ガーデンラウンジがブッフェ、 紀尾井 なだ万が和食となっています。

    選んだのはもちろんSATSUKI。ピエール・エルメやSATSUKI製のパン、自家製納豆、8種類ものオムレツ、かけ放題のいくらと、夢のようなラインアップです。

    食べても食べても制覇できそうにないほどのメニューは、今まで訪れた国内外のどのホテルをもしのぐ充実度。何度訪れても食べ尽くせる気がしません…。

    客室はモダン

    海外の人を意識しているのか、どことなく日本っぽさを感じるインテリア。アメニティはフェラガモでした。

    金曜午後休の極意

    この半休リトリートを最大限に楽しむための唯一にして最大の条件は、仕事はきりのいいところまで終えておくこと。これが教訓でした。ラウンジで仕事も大層はかどるのですが、それではリトリートになりきらず…。心残りをつくらずに、オフィスを出た瞬間から仕事のことは意識して忘却の彼方へ。

    なぜかというと、精神衛生上というのももちろんありますが、なによりもこの金曜半休リトリートは忙しいからです。フードプレゼンテーションにプール、ジムにサウナにお風呂にお酒と、楽しみ尽くしたいサービスが14:00から12:00の22時間に詰まっているゆえ、仕事に時間をとられてはもったいないなと思います。

    そしてもう1つ、未来の自分に残す注意点としては、連日のコンビニにネイルを直す気力もないぐらい忙しい時といえど「土曜に泊まろう」はだめ。土日をつかうのは普通の休日。むしろ週明けにリトリートの反動が来て月曜日の憂鬱度が増すリスクが……。金曜午後から休むことで、平日の昼間からホテルでシャンパンという普段とは異なる時間を実感できるなーと思いました。その実感こそが、パンクしそうな頭も、アップダウンしがちなメンタルも、物理的に疲れている体も、どれもを緊張状態からときほぐす特効薬。

    自由に自分のために過ごせる自分を思い出すと、手をつけられずにいた掃除もネイルもまずは小さなことからやってみようかなという気になってきます。

    東京に住んでいるゆえの“贅沢”だからこそ、その効果は絶大。普段悩みながら働いている自分も悪くないな、と思えたら、半休以上の投資対効果を得られたといえる気がします。

    自分の甘やかし方はあればあるほど良い派ですが、ご褒美型の旅のひとつにこの東京ホテルステイは有力でした…!

  • 人の狭間で疲れた、どこか遠くへ……な気分なら

    人の狭間で疲れた、どこか遠くへ……な気分なら

    気分:なにもかもを忘れ去りたい……どこか遠くへ……

    もう調整とか交渉とか無縁の世界で毒気を抜きたい…どこか遠くへ…

    仕事をしているとそんな風に思うことがありませんか?私はしょっちゅうあります。その度に「こういう時はどこがいちばんデトックスになるだろう」と考えます。

    そんな時に効果的な街を今まで行った都市のなかで考えてみたところ、即座に浮かんだ都市がありました。

    症状:調整の嵐で疲弊

    そもそも、「もう調整とか交渉とか無縁の世界で毒気を抜きたい…どこか遠くへ…」と思う時はどんな時なのか、私の場合で考えてみると、本質的ではない調整作業に忙殺されている時だな、と。

    「仕事すなわち調整」ではないかと錯覚するほどに避けて通れないのが360度の調整。

    社内でも誰からどの順番で話をするか考え、他部署にはスムーズに波風立てず協力してもらうために根回しし、クライアントとはお互いの利益になる着地にもっていくために骨を折り、発注先にはいかに意図を理解してもらって円滑にトラブルなく勧めるかに気を配り…。

    ひとりで完結することがない、というのは時に気が遠くなる行程に見えます。そして「一生これをやっていくの…?」と絶望します。

    調整が業務のメインになっている時期は明らかに疲弊度が高く、終わりが見えると急に「あ、もうだめ…リセットしたい…」という衝動にかられます。

    今回はこんな症状の時の解決旅の話です。

    ・絶望と衝動にかられながらも、脱するためのパワーと意志はある
    ・頭と体は疲れてはいるが、気力は残っている
    ・いっそ遠いほどリフレッシュできる気がする
    ・日常にはない、かけ離れたことをやりたい

    原因:人に揉まれて磨耗、緊張しっぱなし

    調整がしんどいのは、「責任」と「緊張」が常につきまとうから。

    アイデア出しやデータ分析などひとりでできる事は時間もペースも自分でコントロールできるけれど、社内調整でも社外調整でもひとりでは完結できないことばかり。円滑につなげるか、媒介として間に入る価値を出しているか、皆にきもちよく動いてもらうためには…など、その責任が常にのしかかります。

    その責任を果たせるように全方位に目を配り続けると、どうしたって緊張しっぱなし。責任と緊張が絶えず押し寄せてきたら、それはすり減りますよね。

    解決策:匿名で壮大な癒やしに浸る

    すり減り続けるのは危険。責任と緊張から一旦、気休めでも解放される時間が必要です。調整三昧で消耗しながらも「これに屈してなるものか」というエネルギーと「だから一旦スイッチオフを…」というポジティブなエスケープとがマッチするぴったりの旅先があります。

    その地とは、ハンガリーの首都、ブダペスト。

    私の場合、人と人との狭間で長時間緊張し続けると、匿名になりたくなります。誰も自分を知らないところで、思い煩うことなく人目を気にせず文字通りリラックスして過ごすことで、やっと平常運転に戻れるというか。

    それが叶うのがブダペストなんです。

    ブダペストってどこ?

    ハンガリーの首都、ブダペスト。

    チェコ、ルーマニア、ポーランドなどと併せて東欧といわれるように、ヨーロッパの東側に位置。日本からの直行便はなく、飛行機だと乗り継ぎ便、または近隣国からの鉄道やバスによるアクセスとなります。つまり日本からだとすこし時間がかかる国。

    たどり着くまでに時間と体力を要する国ですが、特に日本人には一生に一度は行ってほしい国のひとつです。

    なぜブダペスト?

    「これに屈してなるものか」というエネルギーと「だから一旦スイッチオフを…」というポジティブなエスケープとを両方叶えられる街、それがブダペストなんです。

    こんな症状にどんな風に向いているかというと…

    ◆絶望と衝動にかられながらも、脱するためのパワーと意志はある
    →パワーと意志がある時はそれを活かさない手はない。ガッツがあると、言語や文字の壁を乗り越えやすい。(パワーと意志がない時に海外に行くとコミュニケーションがしんどい)

    ◆頭と体は疲れてはいるが、気力は残っている
    →気力があれば、多少疲れていても長い移動距離も耐えられる。遠くに行くほどリフレッシュできるという説もあり、気力がある時はぜひ遠くへ。

    ◆いっそ遠いほどリフレッシュできる気がする
    →ピンポン。とはいえ距離が遠いと物理的に疲れてしまうのは事実。だからこそ現地でリフレッシュができる要素がある場所を選ぶとバランスよし。

    ◆日常にはない、かけ離れたことをやりたい
    →昼間から屋外の温泉にのーんびりつかって半日だらだら。川沿いで日本にはない中世の建物の夜景を見ながら散歩。路面電車でぼーっと街を一周。

    これらを満たし、仕事している時と違って気合いをオフにして過ごしながらも、日本でできそうでできないことからぜったいにできないことまでゆるく楽しめるのがブダペストなんです。

    匿名で壮大な癒やしに浸る旅とは?

    何者でもないひとりの人間にもどる時間は、いつものルーティーンの生活のなかではなかなか捻出できません。さまざまな顔を持っているからこそ、無の状態で体力も時間もお金も自分のためだけにつかうのは至難の業。旅は無条件にその状況にワープできるから、疲れている時こそ活用すべきだと感じます。

    ブダペストは、フランスやイタリア、スペインなどの西欧とは雰囲気がまるで違います。同じヨーロッパでも、旧ソ連の影響が色濃く残っている街。日本人観光客はまだまだ少なく、東欧有数の観光地のひとつではあるものの日本からの隔世の感が強いのはたしかです。ゴールデンウィークに行った時でさえ、日本人には遭遇しませんでした。

    その匿名性と自分のためにリソースをつかえる自由とを最大に味わうなら、「壮大な癒し」へ。

    ブダペストといえば温泉。ブダペストの名物が癒やしそのものなので、旅の目的も叶えるし街のいちばんの魅力も楽しめるしと一石二鳥の旅となります。

    ブダペストではほとんどの施設が水着着用という点は日本とは異なりますが、それでも日本人に会うと絶妙に気まずいですよね…。東洋人自体が少ないですが、私が訪れた時は現地の人が観光客に対しても特に視線を送ってくることもなく好きなようにのんびりできました。温泉は特に周りが気になってしまう場所ですが、1市民としてなじめた気がします。

    匿名と自由と温泉、本来共存しない3者の関係が奇跡的に成立するのがブダペストです。

    経験者プレゼンツの72時間ブダペスト

    ブダペストは広さ525平方キロメートル、東京23区(619平方キロメートル)よりひとまわり狭いぐらいです。地下鉄・トラム・バスが非常に充実していて、市内の移動も簡単。

    そんなブダペスト、駆け足の3泊5日はもったいなくて、4泊できると及第点です。3泊の場合、ヨーロッパ系の航空会社を利用して日本を出発したその日の夜に到着したとしても実質2日間しか現地で過ごせないんですよね。丸3日、72時間は確保したいところです。

    ブダペストでの必須体験といえばこの3つ。

    ・温泉
    ・ドナウ川沿いの夜景
    ・トラムと地下鉄

    温泉も夜景もトラムも日本にあるけど…と思うかもしれませんが、ブダペストならでは且つ体験する価値ありです。

    1日目:ドナウ河の夜景をトワイライトに

    到着後はまず夜景を見に外へ。

    2日目:温泉と幸福の島へ

    朝から温泉へレッツゴー。ゲッレールト温泉は創業100年以上、アールヌーボー式の建築が美しいハンガリーを代表する温泉です。屋外、屋内に温泉プールがあります。男女一緒に水着着用で入るタイプ。

    更衣室が男女別に分かれていません……!というか更衣室という概念がない。1人用の個室か2人用の個室を借りられるので、カップルの場合は2人用を一緒に使うことができます。着替えもでき、荷物もまとめておいておけるので、日本のロッカータイプよりもプライバシー性が高く快適。

    ブダペストの温泉の温度は40度前後と、日本に比べてぬるめ。現地の人は長く浸かって社交場として楽しんでいるようです。日本人にとってはぬるくて風邪をひきそうと感じる人もいるので、そんな時は屋内にある温度高めの温泉へ。

    温泉からあがったら、ドナウ河下り。市民の足として運営されている水上バスのようなこのボート、わずか500円ほどでドナウ川を遊覧できます。

    目指すはマルギット島。中州にある島です。ここの幸福度は驚異的でした……!骨抜きになります。芝生があって噴水があって売店があって、いたってふつうの公園なのですが、一切の邪気がないただただひたすら幸福しかない島。

    3日目

    朝は市場へ。市場併設のカフェでランチもできます。

    その後は地下鉄で再び温泉へ。ブダペストの地下鉄は、ロンドン、イスタンブールに次いで世界で3番目に営業を開始し、世界で唯一の世界遺産に登録されています。

    乗り物好きの私が一目惚れしたのが1号線。黄色の色味も、3両編成も、ドアがガシャンって閉まるのも、存在自体がかわいい……。

    ちなみにブダペストはトラムもかわいいです。(私はこのトラムが来たり行ったりするのを1時間ずーっと眺めていました……それでも飽きなかった……)

    だからブダペスト

    温泉、夜景、乗り物と、全くベクトルの違う楽しみ方を一度にできて、英語すぎず日本人がほぼおらず、商業的すぎず先進的すぎず、匿名で癒やしを感じられる都市として、ブダペストは完璧。

    ポジティブなエスケープにこれほど適した街はないのでは?と世界36か国を訪れていて思ったのが、ブダペストでした。

  • 罪悪感なく1日中だらだらしたい

    罪悪感なく1日中だらだらしたい

    気分:休みの日ぐらいだらだらしたい

    「仕事が休みの日に『まず洗濯してトーストとヨーグルトとサラダ食べて掃除機かけて……』と動けるタイプの人がうらやましい……」と思うタイプの人にこそ、熱烈に心からおすすめできる過ごし方を見つけました。こんな人におすすめ……!

    ・週5で仕事をしている日常生活では平日は22時半にはベッドに入りたい、土日はお昼までぬくぬくしていたい

    ・金曜の夜こそ、遮光カーテンを引いてスマホの音量をオフにしてジャスミンのルームフレグランスをひと吹きして、寒さも暑さも感じない絶妙な重ね着で目覚ましをかけずにベッドにもぐりこむ、その瞬間が至福の時…

    ・リフレッシュが必要とは思うけど、いかんせん行き先を調べたりが億劫

    ・かといってだらだらし続けるのもちょっと罪悪感がある

    症状:疲れと罪悪感のせめぎあい

    ちょっと忙しさが続いたりすると、休みたいんだけどどこか行きたい!という気持ちにもなるものの、とはいえ忙しい時期は遠出する気力が湧いてこないんですよね……。

    近場でさくっとどこか行きたい、でも気力がないからだらっとしたい、そんな矛盾を完璧に叶えるホリデーがあったら最高じゃないですか?

    ラクーアのスパだと物足りない、もうすこし遠出となると熱海とか箱根とか…?でもそうなると日帰りじゃもったいないし、とはいっても泊まるとなるとちょっと気合いがいるなあ…かといって軽井沢だと1時間で着くけどだらだらする感じじゃないしなあ…

    そんなループに陥った挙げ句、「考えるのも疲れるし、もういっか」となりがち。

    ちょっと遠出ぐらいだけど旅行っぽさがしっかりあって、でもあちこち観光ではなくぐだっとしたくて、でもただぐだっとするだけだとなんかもったいない気もして…

    という微妙な心の揺れに応える休日があったら最高だなーといつも思っています。

    旅行だけどだらだらすることが正義、な場所ってどこかないでしょうか……。

    解決策:さくっと行けてゆるっとできてだらだらするのが大義名分のところへ

    そんな具体的な女子心を満たす行き先、いままで思いつかなかったのですが、たまたま行ってきたところがパーフェクトにその気分にフィットしました。

    その行き先とは、ちょっと意外(?)な『大磯プリンスホテル』です。

    個人的にグループホテルはどこに行っても同じ感じに見えがちなのでほとんど選ばず、プリンスグループもほとんど泊まったことがないのですが、『大磯プリンスホテル』は2017年に客室リニューアルと新装スパがオープンしそのスパが話題になったことで知っていました。(公式サイトのスパページはこちら)

    そこでスパのためにホテルに泊まることに。といってもスパが日帰りでも大人4,500円なので、数千円追加して宿泊した方が寝る直前までと朝起きてすぐからスパを楽しめる方が満足度は高いと思います。

    さてどんなホテルかというと…

    都心から2時間弱、到着するとフロントの先には吹き抜けでガラス窓の広々としたカフェスペース。ハワイのアラモアナにあるレストラン「マリポサ」をすこし彷彿とさせるような。海外感があります。

    客室「オーシャンビューツイン」からはこのとおり、海。

    海に浮いてるみたいじゃないですか?水平線が端から端まで見られます。

    そしてきわめつけは、スパフロア4階にあるインフィニティプールから望むこの景色。

    どこまでが空でどこまでが海でどこまでがプールなのか…もはや目を凝らしてもわからないぐらいに一体化しています。

    もうすこしわかりすくすると…

    海に浮いているように見えるインフィニティプールです。水温が調節されていて、冬でも入れます。ただし海が目の前なので風が強く、冬はかなり寒いです。。

    プールサイドにはジャクジーが2つ。

    プールは一定の水温に保たれている温水で冷たくは感じないのですが、気温が低いと若干冷えてきます夜や朝は特にこのジャクジーで温まってプールに入ってまたジャクジーに戻って、のループが最高。

    夜はライトアップされてちょっと色っぽい雰囲気に。

    だらだらが目的になるホテルステイ

    スパフロアは3階と4階。3階は男女別の大浴場で、おむつのとれた子ども以上ならだれでもOKです。

    4階はインフィニティプール、ジャクジー、サウナ3種、岩盤浴、水風呂、雪が降る部屋が揃っていて、フロア自体が中学生以上のみ入場可と文字通り大人だけの空間。男女共用、水着で利用するタイプで、移動時や休憩時に着られるガウンはフロントで無料で受け取れます。男女一緒に楽しめるためカップルも多いですが、女子同士、男女グループ、母娘などもいました。

    いちばんいいなというか健全だなと思ったのが、インフィニティフロアの雰囲気。このインフィニティプール、明らかに写真映えを狙ってつくられているんですよね。自撮り棒を持った女子やひたすら彼女を撮影している男の子がたくさんいます。その場にいる人たちの目的が一致しているので、「あんなに写真撮って…」みたいな冷たい目線や、撮影している時のどこか気恥ずかしい感じがなく、撮る方も視界に入っている側もピースフルでした。

    ホテルまとめ

    ホテルをひとことで表すと

    ホテルのクラス感は星3つぐらい、「時間とお金をかけずに、罪悪感なく大手をふるってだらだらできるし旅行感がある」というのが最大の良さ。

    ホテル概要

    『大磯プリンスホテル』は、新宿から湘南新宿ラインで直通約70分(最寄り駅からバスで約15分)、車でも都内から2時間弱ぐらい。

    プリンスグループは軽井沢や万座、札幌などいくつか泊まってきましたが、施設によってクラス感やサービスレベルはさまざま。

    個人的にはチェーンホテルの金太郎飴感が好きではないので積極的には選びませんが、大磯はこのプールとスパフロアで夜まで&朝からのんびりできるのでスパに付随して泊まるのはありと思いました。ただし食事にこまるかも。近隣にはレストランはほとんどないです。

    5W1H

    【WHEN】いつ行くのがよい?

    夏は大磯ロングビーチ特需できっと激混み且つ施設クラスに見合わない宿泊料金になると思われるので、夏以外がおすすめ。(ちなみに私が行った3月上旬は、素泊まりで1室15,000円弱でした。3名なら1人5,000円……安すぎる……)コートが必要な時期でもインフィニティプールとジャクジーの無限ループは最高でした。

    【WHERE】どこがマスト?

    このホテルに泊まる最大にして唯一の目的は、プールとジャクジーと岩盤浴。無限ループをおためしあれ……!(残念ながら24時間ではなく、朝6時から夜は24時まで)

    【WHO】だれと行くのに向いてる?

    スパフロアは子どもNGなので、カップルもしくは裸を見せ合えるレベルの友人と。プール・サウナ・岩盤浴は入っていられる人は延々と入っていられるけれど、にがてな人は5分ともたないので、スパ好きであること必須です。

    ホテル到着後からチェックアウトまで、食事以外ずっとスパフロアで過ごしたい/一緒にもべつべつにも過ごせる人とぜひ。

    【WHAT】なにする?

    (ランチをすませて)チェックイン→インフィニティプール→ジャクジー→インフィニティプール→岩盤浴→インフィニティプールでマジックアワー→夜ごはん→ジャクジー→インフィニティプール→サウナ→インフィニティプール→岩盤浴→露天風呂→睡眠→ジャクジー→インフィニティプール→岩盤浴→露天風呂、ぐらいの過ごし方がこのホテルの良さを最大限楽しめます。

    朝食よりもスパ!となりそうだったのであらかじめ素泊まりにしていたのですが、朝起きてからチェックアウトまでずっとスパフロアにいたので正解でした。

    【WHY】どんな時に行く?

    どこか行きたい、でもがっつり旅行するほどの体力と気力はないし調べたり計画したりも億劫、電車で1本で行ける距離だったらいいかなーぐらいの時に。

    罪悪感なくだらだらできるけど、日常にはないプールと写真でちゃんと遠出はした感はあるので、HP(体力)30・MP(メンタル)60ぐらいの「疲れは溜まってるけど近場のどこかで旅行風味を楽しみたい」時に。

    【HOW】行き方

    池袋・新宿・渋谷から電車で1本、約70分。車だと東名ですぐ。

    旅のおともに

    写真を撮るなら水着選びが楽しい。プールはタイルが青で曇りでも青味が強いので、原色がよく映えます。若者から60代ぐらいまで老若男女、ビキニ、ワンピース、ラッシュガードとさまざまな水着タイプの人がいたので、好きなものを着ましょう〜!

  • 疲れてるから無計画に旅したい

    疲れてるから無計画に旅したい

    旅の準備は延々続く問題

    どこか行きたいと思い立った時から旅の楽しい時間が始まる、はずが、旅したいなーぐらいのほんの出来心からリサーチの渦に飲み込まれた経験はありませんか?

    「どこ行こう?」と候補の街を思い浮かべた瞬間から、アクセス、何日滞在できるか、負担のないフライトスケジュール、最も効率よくコスパよく行く方法などを比較し、リサーチの鬼と化しがち。行き先と手段を決める頃にはぐったり。毎回この準備は、楽しくもどっと疲れる作業でもあります。

    そして出発が迫る時期にはリサーチ第2波、「旅先で何をするか」問題です。行きたいスポットを挙げたり、効率のよいルートを考えたり、スケジュール感の当たりをつけたりと、再び探索の海に溺れがち。

    好きで旅に出るのに毎回修行のような心境を味わっています……。リサーチは義務でもないし、思いつくままに予約できる度胸があればわざわざ情報の荒波に自ら飛び込む必要はないんですけどね……。

    残念ながら旅では時間と予算に限りがあり、加えてフィットする体験を求めるうえでリサーチが身を助くるという実感があるのと、非効率やしなくていい支出がもたらす後悔の方がずっとつらいのとで、自らを追い込む性分です。

    やっとの思いで現地滞在の大枠を決めたら最後、解放されるかと思いきや、第3波が待ち受けています。

    それが現地でのリサーチ。いざ大聖堂や水上マーケットに行くと決めても、実際にたどりつくまでには営業時間を調べたりクチコミを確認したりGoogle Mapとにらめっこしたりが待っています。

    あれ、何のためだっけ…?

    行き先を考えたり、到着した時に達成感があったり、そういうのもたしかに楽しい。

    でも、ふと思うんです。地図をなぞる作業になってない?これってスタンプラリーじゃない?本当は財布ひとつでふらっと歩いている時にかわいいお店が目に入ったり、パンが焼けるいい香りにつられたり、そういうことが醍醐味じゃなかったっけ、と。

    旅先でも“正解”を求めて最短ルートを攻略しようとしていることに気がついてハッとしたのも一度や二度ではありません。いろいろ解放されたくて旅に出るのに、自ら縛られに行っているではないか、と愕然とすることもしばしば。

    だから意識してOFFになる

    だから旅先では、意識して地図を見ないで気の向くままに街を歩いてみよう、とそのために時間をつくることがあります。候補を挙げてルートを描いて無駄なく動く、って普段仕事でやっていることそのものなのですが、そういう取捨選択は大小にかかわらずエネルギーを使います。

    そういう日常での疲れからリリースされ(そしてその空いたスペースでインスピレーションを受けたものとか普段じっくり考える時間をとりづらいこれからのこととかを考えたい)から日常を離れているのに、ついつい効率第一に考えてしまう癖がしみついてしまっているんですよね……。

    そこで、せめて最後のGoogle Mapとのにらめっこが不要な土地はないものかと、経験をもとに振り返ってみました。今まで訪れたなかで、効率を無視しても楽しい、もしくは効率が通用しない街(!)を思い出してリストアップ。名づけて、地図なしが楽しい街、です。

    ベネチア:車が通れない水路の街

    車が入って来られず、何百もの橋がかかっている海に浮かぶ島。

    最初はホテルでもらった地図(細かい路地や橋も全部書いてある)を見ながら歩いていたのですが、ベネチアは路地という路地が本当にため息ものの美しさなんです。

    先が細くなっていて「通れるのかな?」と思いながら進んでみたり、「この壁の先が気になる…」と思いながら歩いたら運河に突き当たったり、地図を見ながらもそういう誘惑にかられて地図通り予定通りには進まないねってなった瞬間に、地図を見ない方が楽しいんじゃない?と気づきました。

    「リアルト橋→」「XX広場→」のような場所と矢印だけのプレートが結構あったりして、それをたどって行くのが宝探し感覚で楽しいです。

    サントリーニ島:真っ白な壁が続く立体的迷路

    真っ白な島。白い壁という壁が並んでいて、まぶしすぎて目を開けられませんでした。それぐらい白が強烈。

    リゾートホテルが多く建つイアに泊まったのですが、階段を昇り一本道かと思いきや途中で道が分かれたり階段が出現したりと冒険心がくすぐられます。

    「この階段を降りたら行き止まりかな?行き止まりでもいっか、戻ってくればいいんだもんね。」と思える場所。

    深い青をたたえるエーゲ海を横目に見ながらの白い街探索は、日差しとまぶしさと暑さとの戦いではあるものの地図通りに歩くことが無粋に思える魔力があります。

    ストックホルム:キキの暮らした街風味

    ストックホルム全体はデザインが洗練されていて、インテリアやカフェやショップなどどれをとっても全体からディテールまでがスタイリッシュでモダンで生活しやすいデザイン性を感じる都市。

    それでも旧市街がきちんと残っていて、旧市街は街がもつそのデザイン性とは良い意味で反対にアナログ感というかノスタルジックな味わいが残っています。

    きっと女子なら一度は通ったであろう「魔女の宅急便」のモデルになったといわれる街はドブロブニク、ナポリ、メルボルンなどいくつかあるのですが、ストックホルムもそのひとつ。ドブロブニクやナポリでも「魔女の宅急便っぽい」と感じましたが、一見際立った特徴がなさそうなストックホルムでも感じました。

    オレンジ色の屋根とか路地にはためく洗濯物とかそういう象徴的な風景があるわけではないはずなのに、知らない街に降り立ったキキがあてもなく歩いてみるように、本能的に惹かれる方向に気の向くままに進んでみたくなる郷愁がある街です。

    リスボン:パステルカラーに包まれて

    リスボン旧市街は一見、路地が碁盤の目のように並んでいるように地図上では見えます。

    それは正解だけど正解ではありません。地図を鵜呑みにすると痛い目に遭う、その実とんでもない街です。

    地図と現実とがここまで違う顔を見せる街No.1だと思う…なぜなら坂の街といわれる通り、アップダウンが激しい。激しすぎるのです。20代でも30代でも足腰に来るほど。登山でしたっけ?と聞きたくなります

    だけど坂を上った先にとんでもない見晴らしが待っていたり、下った先に海が広がったりと、意表を突くその具合が突き抜けすぎていてどんな坂でもその誘惑に勝てないんです。

    ドブロヴニク:紺碧と赤茶の世界遺産街

    「こんな街がこの世に存在するんだ…」とただただ上空からの街を見下ろす景色に呆然とし、数時間目が話せなかった街。

    『魔女の宅急便』のような街がこの世界に実在していると知った時からいつかぜったいに訪れたくて、2週間ヨーロッパへ行けることになった瞬間に真っ先に候補に挙げました。

    旧市街をあてどもなくふらふらするのがよいです。大理石のような道はピカピカ光ってつるつるで、内戦で破壊されてしまった街が住人の意志と情熱で以前と同じように再建されたことに「よくぞここまで…」という気持ちになったり。

    ビーチは石まじりで裸足で歩くには痛いし初夏でも水温は低いのだけど、それでも透明~エメラルドグリーン~紺碧へと変化する特異なグラデーションはその境目をいつまででも眺めていたくなったり。

    とにかくファンタジーを感じる街。城壁に囲まれている旧市街は小さなエリアで、地図がなくても地図を見ないでも気づけば大通りに戻ってしまうし迷っても大きな広場を目指せる配置だから安心して迷い込めます。

    マラケシュ:右も左もピンク1色のおとぎの世界

    ここは難関すぎます。一生ここから出られなかったらどうしよう、と本気で泣きそうになった場所。世界最大のスーク(市場)と言われ、Google Mapでもいまだにその全貌は明らかになっていないとも。旅人泣かせです。「このまま出られなかったらどうしよう」と本気で泣きそうになったので、ひとりでスークに足を運ぶ勇気はもうありません……。天然巨大迷路。

    しかも何がその恐怖を増大させるかというと、英語がほとんど通じないこと。通じるのはアラビア語かフランス語、且つおそらく地図という概念がないので、自分が今どこにいるか聞いてもそもそも意味を成さないという恐ろしさ。

    そんな街、ほかにあります?

    ここでしか味わえない肝試しや運試しに近いスリルがあるので、こわいもの見たさでいつか再訪したい気持ちはどこよりも強くあるのですが、次に行くならスークの路地1本1本に精通した地元ガイドについてきてもらおうと固く心に誓っています。

    文明社会でこれだけの体験をリアルにできる場所はほかにないのでは?とさえ思います。

    もっと迷おう

    いつでも最短ルートを調べ目指すばかりでは、その移動時間は無機質になりがち。いっそのことスマホもオフにして、現実っぽさが清々しいほどにない街で迷ってみると、なんだかすごく自由になれてやみつきになります。

    知らない土地での意図的な迷子、おすすめです。